2016年度

開催概要

(2016年度は大学教育パワーアップセミナーとの合同企画として開催します)
2016年度は大学教育パワーアップセミナーとの合同開催となります。
京都FDer塾は「基調講演」、「分科会A」として実施いたします。

2016年度京都FDer塾×大学教育パワーアップセミナー合同企画

テーマ:「教育の質保証について考える」

高等教育の質保証に関する方策が重要視される中、多くの大学ではGPA制度の導入、学習成果の可視化などが実施され、IR機能の開発や部門設置が求められています。また、現場レベルではアクティブ・ラーニングや授業デザインなど、授業の創意工夫が日々求められています。このような背景を踏まえ、今年度は、京都FDer塾と大学教育パワーアップセミナーを合同で開催し、基調講演では教育の質保証とIRの関係について、3つの分科会では事例紹介と2つのワークショップを行い、マクロとミクロ両方の視点を取り入れた企画となっています。

日 程
2017年1月21日(土) 13:00~17:00 (12:30開場)
会 場
キャンパスプラザ京都 5階 第1講義室及び第2~第4演習室
主 催
公益財団法人 大学コンソーシアム京都
対 象
FDに興味を持つ大学教員・職員、その他大学関係者等
参加費
加盟校の方:無料
非加盟校の方:¥1,000(当日受付でお支払いください)
定 員
基調講演・・・150名
分科会A・・・110名
分科会B・・・20名
分科会C・・・20名
※お申込は先着順に受付いたします
内 容
案内チラシ【詳しくはこちらから】
基調講演
13:00~14:30
【定員:150名】
「教育の質保証とIR」
山田 礼子氏(同志社大学 社会学部 教授)
≪概要≫
高等教育の質保証を推進する方策志向を背景として、既にGPA制度、CAP制の導入、単位の実質化等の方策がすでに多くの大学で実施されているが、そうした方策を十分に機能させ、質保証を推進するためには、IRと呼ばれる機能の開発やそうした部門の設置が求められつつある。教育情報の公表に伴い、データを一元化し、今後稼働する「大学ポートレート」用にデータを加工することもIR部門の新たな仕事となる可能性も高い。さらには、大学のガバナンスの整備が求められるなかで、ガバナンスの支援ツールとしてのIRという見方も浮上しつつある。
IRは、米国の高等教育機関で1960年代に誕生したといわれている。教育、経営、財務情報を含む大学内部の様々なデータの入手や分析と管理、戦略計画の策定、アクレディテーション機関への報告書や自己評価書の作成を主な仕事として、IR部門は、米国の多くの高等教育機関に常設されている。こうした活動から、組織運営に関する意思決定の支援部門というニュアンスが強い一方で、教育改善のためのデータを集積、分析し、教育改善のツールとしての学生調査の開発にもかかわっている。その意味で、学内の教育の質保証にも深くかかわっているのがIR部門といえる。とりわけ、内部質保証とIRの関連性は高い。本講演では、教育の質保証とIRの関係を政策動向との関係から分析する。
分科会
15:00~17:00
【定員】
分科会A:110名
分科会B:20名
分科会C:20名



事例紹介
①京都外国語大学 
「京都外国語大学における教育の質保証の取組と学修成果の可視化 」
早瀬 明氏( 総合企画室長 教授 )
村上 正行氏(マルチメディア教育研究センター 教授)
≪概要≫
京都外国語大学は、2014年に大学教育再生加速プログラム(AP)の複合型(テーマⅠ・ テーマⅡ)に採択されている。その背景には、5カ年計画による大学のマネジメントシステムの構築があり、その中に教育の質保証も位置づけられている。本報告では、京都外国語 大学の教育の質保証のあり方について説明し、それを実現するための具体的な方策とし て、AP事業の概要、IRの取り組み、学修成果の可視化を紹介する。
②愛知教育大学
 「愛知教育大学における教員養成の質保証に向けた教学データ活用―4大学連携に基づくIRの可能性― 」
京免 徹雄氏(学校教育講座 講師)
≪概要≫
愛知教育大学の教員養成開発連携センターでは、北海道教育大学、東京学芸大学、大阪教育大学と連携して(HATOプロジェクト)、教学改善を目的にIR活動を展開している。本発表では、共通項目の意識調査の作成、データの共有など連携の具体的な内容を紹介し、その意義に言及する。さらに、教員養成の質保証のための試みとして、新入生調査や上級生調査の分析をもとに、本学の教育目標の達成に向けた取組を報告する。
武 寛子氏(教員養成開発連携センター)
京免 徹雄氏(学校教育講座)
高綱 睦美氏(学校教育講座)
3名の連名報告



【アクティブ・ラーニング×ワークショップ】
「学び合いと成長を促すための様々な仕掛けを創り出す」
久保 秀雄氏(京都産業大学 法学部 准教授)
≪概要≫
アクティブ・ラーニング(AL)型の授業は、受講生次第である部分が大きいため、授業運営者の見込み違いによって失敗する可能性がそれなりにある。一方通行でも済む講義とは違って、受講生の予想外の反応・行動にも即座に対応する必要があるなど、考慮すべき点も各段に多くなる。そこで、AL型授業で生じやすい問題を解決するための仕掛けを創り出すワークに皆で取組むことを通して、AL型授業を成功させるために必要なセンスを磨くとともに、初年次導入教育から専門演習まで、また少人数科目からそうでない科目まで、様々なバリエーションに対応したAL型授業のノウハウを共有することにしたい。



【AL型授業デザイン×ワークショップ】
「『主体的・対話的で深い学び』を引き出す授業をデザインする」
山田 剛史氏(京都大学 高等教育研究開発推進センター 准教授)
≪概要≫
現代社会を生き抜く人材の育成が高等教育機関の使命であり喫緊の課題となっています。その中心には教育の質的転換、授業の質的向上が据えられ、具体的な方法としてアクティブラーニングが推奨されています。本分科会では、「主体的・対話的で深い学び」を引き出すための授業をどうデザインし、実践するのかといった点に焦点を当てて、参加型のワークショップ形式で行います。

お申込み

申込方法(メール申込)
件名:「0121京都FD申込」
本文:
(1)氏名(ふりがな)
(2)所属(組織名・部署)
(3)教員、職員、その他、の別
(4)e-mailアドレス
(5)基調講演参加の有無・・・記入例:参加、不参加
(6)希望分科会・・・記入例:分科会A、分科会B、分科会C、不参加
上記の内容にて、
fdrd■consortium.or.jp (■を@に変えてください)までメールにてお申し込みください。
申込受付後に受付完了メールをお送りします。
申込締切
2017年1月14日(土)

実施報告

大学コンソーシアム京都では、2017年1月21日(土)に「京都FDer塾」と「大学教育パワーアップセミナー」を合同企画し、「教育の質保証について考える」をテーマとして開催し、加盟大学・非加盟大学から99名の方にご参加いただきました。

大学にとって教育の質保証は永遠の課題であり、多くの大学ではGPA制度の導入、学習成果の可視化などが実施され、IR機能の開発や部門設置が求められています。また、現場レベルではアクティブ・ラーニングや授業デザインなど、授業の創意工夫が日々求められています。このような背景を踏まえ、基調講演では教育の質保証とIRの関係についてご講演いただき、後半は3つの分科会(事例紹介、アクティブ・ラーニングワークショップ、AL型授業デザインワークショップ)に分かれて開催しました。
まず、基調講演では、山田礼子先生(同志社大学 社会学部 教授)より「教育の質保証とIR」というテーマで基調講演をしていただきました。近年、IRが大学業界で浸透しつつあるものの、約7割の大学では全学的なIR組織は存在せず、IR機能が限定で曖昧な部分もある問題を指摘し、教育の質保証は、現在は第三ステージ(データの結果と評価を学生教育へ還元すること)へと突入していると述べ、「教学IR」の必要性について解説していただきました。

後半は3つの分科会が同時進行で行われ、分科会Aは2大学による事例紹介が行われ、京都外国語大学の早瀬明先生(総合企画室長 教授)と村上正行先生(マルチメディア教育研究センター 教授)より、大学教育再生加速プログラム(AP)事業で採択された「京都外国語大学における教育の質保証の取組と学修成果の可視化」についての事例紹介、愛知教育大学の京免徹雄先生(学校教育講座・講師)より、「愛知教育大学における教員養成の質保証に向けた教学データ活用―4大学連携に基づくIRの可能性― 」についての事例紹介についてお話いただきました。

分科会Bは、大学教育パワーアップセミナーに当たるアクティブ・ラーニングをキーワードとしたワークショップが行われ、久保秀雄先生(京都産業大学 法学部 准教授)より、「学び合いと成長を促すための様々な仕掛けを創り出す」をテーマに、アクティブ・ラーニング型授業で生じやすい問題を解決するための仕掛けを創り出すワークについてお話いただきました。
分科会Cも、大学教育パワーアップセミナーに当たるAL型授業デザインをキーワードとしたワークショップが行われ、山田剛史先生(京都大学 高等教育研究開発推進センター准教授)より、「『主体的・対話的で深い学び』を引き出す授業をデザインする」をテーマに、「主体的・対話的で深い学び」を引き出すための授業のデザインおよびその実践についてお話いただきました。
最後に、今回の合同企画のアンケート結果では、全体の満足度はアンケートに回答いただいた61名中57名が、「満足」、「やや満足」と回答しており、満足度の高さがうかがえました。特に、分科会BとCの満足度は回答者全員が「満足」と回答しており、ワークショップ形式の分科会は非常に有意義な会となりました。
また、「大学を取り巻く状況からのIRの意味が理解できたことと、具体的な教育活動を学べた」、「二部構成で充実感がありました。全体と個々と各世代の教職員が意識するとより良くなると思いました」、「本学の課題となっている事柄の解決につながる情報を得ることができた」と、多くの好評な感想が寄せられました。

お問い合わせ先

公益財団法人 大学コンソーシアム京都 FD事業 担当
TEL 075-353-9163 FAX 075-353-9101
〒600-8216 京都市下京区西洞院通塩小路下るキャンパスプラザ京都内
※営業時間:火~土曜9:00~17:00(年末年始を除く)

PAGE TOP