事業概要
高等教育の発展に資するべく、各大学コンソーシアムの取り組みや研究成果等の情報交換を実施しています。
第16回全国大学コンソーシアム研究交流フォーラム 開催概要
- テーマ
- 「大学コンソーシアムとともに始まる大学づくり」
- 大会趣旨
- 少子高齢化の進行に伴う諸課題は、わが国の生存基盤にまで影響を及ぼすほどに深刻なものである。特に少子化(1992年度の205万人をピークに減少し、ここ10年ほどは120万人で安定していた18歳人口が、昨年2018年度より再び減少しており、2040年度には88万人にまで減少することが予測されている。)は、大学にとって大きな問題である。
一方、国の根幹に関わる教育政策については、初等教育から高等教育まで、さまざまな改革の議論が進んでいるが、それらがどれほどに永続的で効果的であるものかは見通せていない。とくに高等教育では、高大接続を重視した大学入試改革と、その源泉であるべき教育の成果目標および質保証が社会的要請として強く求められている。
そのような背景から、今回のフォーラムでは、それぞれの地域の知の集合体とも言うべき大学コンソーシアムが議論すべき内容、また、果たすべき役割を考究したい。構成員となるそれぞれの大学が地域人材の養成を担う高等教育機関としてのみならず、役割・機能の明確化・特色化を進め、大学改革や地域に貢献できる大学づくりに資するよう、多岐にわたる課題を検討し、知見と経験を出し合い、未来に向けた実りある学びの機会としたい。 - 日 程
- 2019年8月31日(土)10:00~19:30(ポスターセッションは12:00~15:00)
2019年9月1日(日)9:30~11:30 - 会 場
- 熊本学園大学(熊本市中央区大江2丁目5-1)
※1日目は情報交換会終了後に、熊本学園大学から熊本駅行き、
2日目は分科会終了後に、熊本学園大学から熊本駅行き、無料シャトルバスを運行予定。無料シャトルバスの利用を希望される場合は、参加申込みフォームでのお申込みが必要です。 - 共 催
- 全国大学コンソーシアム協議会
大学コンソーシアム熊本 - 内 容
- 第16回 全国大学コンソーシアム研究交流フォーラム リーフレット
- タイムスケジュールおよび場所について
- <1日目> 2019年8月31日(土) 会場:熊本学園大学
時間 内容 場所 9:00~13:00 受付 14号館玄関ホール 10:00~11:30 プレイベント:ワークショップ 14号館2階1421教室 12:00~12:30 全国大学コンソーシアム協議会総会 本館4階第3会議室 12:00~13:00 ポスターセッションコアタイム 14号館1階1412教室、
玄関ホール13:00~13:15 開会・挨拶 14号館1階
髙橋守雄記念ホール13:15~14:15 基調講演 14:15~15:00 ポスターセッションコアタイム 14号館1階1412教室、
玄関ホール15:00~16:50 シンポジウム 14号館1階
髙橋守雄記念ホール16:50~17:30 文教行政報告 17:30~17:35 閉会 18:00~19:30 情報交換会
※情報交換会終了後、熊本駅行きの無料シャトルバスを運行予定。利用を希望される場合は、参加申込みフォームでのお申込みが必要。7号館1階レストラン -
<2日目> 2019年9月1日(日) 会場:熊本学園大学
時間 内容 場所 9:00~9:30 受付 12号館1階 9:30~11:30 分科会(第1分科会~第5分科会)
※分科会終了後、熊本駅行きの無料シャトルバスを運行予定。利用を希望される場合は、参加申込みフォームでのお申込みが必要。12号館4階 講義室 -
<1日目詳細>
プレイベント:10:00~11:30 (全国大学コンソーシアム協議会 運営委員会 企画)
本イベントは大学コンソーシアム組織の運営スタッフ向けのものとしており、運営活動における課題共有等の場としております。
全国大学コンソーシアム協議会より、別途コンソーシアム組織・加盟団体へご案内をさせていただきますので、運営スタッフの皆様のご応募をお待ちしております。※なお、定員は35名といたしますので、定員を超えるご応募があった場合は、抽選等により参加者を決定させていただきます。
基調講演: 13:15~14:15
テーマ 大学コンソーシアムとキャンパスアジアの可能性 基調講演者 姜 尚中 氏 熊本県立劇場 館長 シンポジウム前半:15:00~15:50
テーマ 大学コンソーシアムとともに始まる大学づくり シンポジスト 甲斐 隆博 氏 熊本経済同友会 代表幹事 小野 泰輔 氏 熊本県 副知事 中山 峰男 氏 崇城大学 学長 姜 尚中 氏 熊本県立劇場 館長 コーディネーター 半藤 英明 氏 大学コンソーシアム熊本 代表理事
熊本県立大学 学長シンポジウム後半:16:05~16:50
会場からの質疑応答
文教行政報告:16:50~17:30
テーマ 高等教育政策の動向について 報告者 平野 博紀 氏 文部科学省高等教育局大学振興課
大学改革推進室長情報交換会:18:00~19:30
-
<2日目詳細>
分科会:9:30~11:30
第1分科会(担当:一般社団法人 教育ネットワーク中国)
テーマ 大学コンソーシアムにおけるFD・SD研修会 内容 各大学でそれぞれにおいて行う各種研修会とは異なり、コンソーシアムによる研修会は多数の大学から参加者が集まるので異なった効果が期待できます。大学コンソーシアム京都での研修、教育ネットワーク中国における現状についての発表を基に研修の効果について検討します。パネルディスカッションにおいてはクリッカーを使用して、フロアからのアンケートを取りながら議論を進めて行きます。議論を通じて大学コンソーシアムの存在意義を探ります。 報告者 吉貞 正流 氏 大学コンソーシアム京都 教育開発事業部 副事務局長 大学コンソーシアム京都におけるFD・SD事業について 向田 一郎 氏 広島国際大学 教授、図書館長、一般社団法人教育ネットワーク中国研修委員長 教育ネットワーク中国におけるFD・SD研修 沖 裕貴 氏 立命館大学 教育開発推進機構 教授 日本および各国のFDの現状と課題 コーディネーター 馬本 勉 氏 県立広島大学 教授(副学長、総合教育センター長)、教育ネットワーク中国 大学間・高大連携委員長 第2分科会(公益財団法人 大学コンソーシアム京都)
テーマ 障がい学生支援と大学コンソーシアム 内容 大学において対応の責務が生じている障がい学生支援は、各大学での取り組みが前提ではあるものの、まだ十分な支援体制が構築されていない、又支援の担当者を配置していないという大学も少なくありません。このような現状に対して、大学間で連携して、支援の知識やノウハウを共有していくことはとても重要になるでしょう。本分科会では、大学コンソーシアムの事業として障がい学生支援に取り組む事例を紹介し、その役割や展望を考える機会にしたいと思います。 報告者 土橋 恵美子 氏 同志社大学 障がい学生支援室・チーフコーディネーター 大学コンソーシアム京都における障がい学生支援に関する活動紹介 原田 新 氏 岡山大学 全学教育・学生支援センター 准教授 大学コンソーシアム岡山における障がい学生支援に関する活動紹介 福永 隆文 氏 熊本県立技術短期大学校 情報システム技術科 教授 大学コンソーシアム熊本における障がい学生支援に関する活動紹介 コーディネーター 村田 淳 氏 京都大学 学生総合支援センター 准教授(障害学生支援ルーム・チーフコーディネーター) 第3分科会(一般社団法人 大学コンソーシアム熊本)
テーマ 危機管理と大学の地域貢献-震災対応を事例として- 内容 2016年4月に熊本地震(M7.3)が発生しましたが、震災発生時に各大学は、避難所としての大学開放、被災地でのボランティア活動、被災地住民の精神的ケア、被災地のこどもたちの教育支援、専門分野の教員による復興アドバイスなどを実施しました。これらの取り組みを紹介し、大学の危機管理体制の情報を共有することで、今後想定される自然災害の防災減災対策などに大学がどのように貢献できるか学びの機会とします。 報告者 安部 美和 氏 熊本大学 熊本創生推進機構 准教授 震災後のボランティア活動から地域活動へ 照谷 明日香 氏 熊本学園大学 ボランティア・コーディネーター しょうがい者を受け入れた災害避難所 秋吉 澄子 氏 尚絅大学短期大学部 食物栄養学科 准教授 NPO法人による益城町炊き出し活動への学生参加の経験 井出 良輔 氏 東海大学 学生 地震におけるコミュニティの絆と課題-南阿蘇村と熊本地震- コーディネーター 澤田 道夫 氏 熊本県立大学 総合管理学部 教授 第4分科会(特定非営利活動法人 大学コンソーシアム大阪)
テーマ 人・大学・まちの成長、発展に繋げる大学コンソーシアムの活動とは 内容 全国の大学コンソーシアムでは、その地域性を生かし、大学や自治体、産業界と連携し特色ある活動が行われており、個々では成しえない活動を複数の組織が連携することで可能とし、幅が広がり、また新たな活動を生み出しています。別の観点では、大学コンソーシアムが核となってユニークな活動の場を設けることで、そこに参画する人々が繋がり、学び、ともに活動することで自身を成長させ、ひいては大学や地域の発展に繋がるとも言えます。ここでは人や大学、そしてまちの成長や発展に寄与するべく活動する「大学コンソーシアム」に対し、今後期待されることについて考えます。 報告者 中川 邦彦 氏 大学コンソーシアム大阪 地域連携コーディネーター 学生の成長に繋げる大学コンソーシアムの活動(仮題) 松下 賢一 氏 甲南大学 地域連携センター事務室 課長 ひょうご産官学連携協議会における「ふるさと兵庫」人材の育成に向けての事業展開について 田中 邦明 氏 キャンパス・コンソーシアム函館 運営委員 大学教育改革に果たしてきた大学コンソーシアムの役割-全国大学コンソーシアム協議会の加盟組織プロフィールシートからの考察- コーディネーター 久 隆浩 氏 近畿大学 総合社会学部 教授、大学コンソーシアム大阪 企画・運営委員会委員長、地域連携部会推進委員会委員長、大阪府内地域連携プラットフォーム協議会委員長 第5分科会(公益社団法人 学術・文化・産業ネットワーク多摩)
テーマ 地域活性化人材をどう育成するか 内容 経済界が求める地域活性化人材とは。地方活性化にとっての人材とは。日本の総人口が長期的減少の局面に入り、大半の地方都市や中山間地において持続可能な地域社会のあり方が問われています。地域における新たな産業形態の創出や地域の活性化に挑戦するための、地方活性化に必要とされる人材育成プランの具体的事例紹介を題材に、「フロア参加のワークショップ形式」で議論します。上記テーマは大学コンソーシアムの明日を占う重要課題です。各コンソーシアムの自由参加でワークショップを開催します。「経団連版地域活性化人材」育成プラン(当日配布予定)を受けて、地域社会に根差した大学改革、大学連携の在り方を現状の課題や将来の展望を踏まえて議論します。 報告者 富野 暉一郎 氏 福知山公立大学
副学長地域公共人材育成の目的と課題 木村 治生 氏 ベネッセ教育総合研究所 高等教育研究室長 産学連携による人材育成の現状と課題 細野 助博 氏 公益社団法人学術・文化・産業ネットワーク多摩 専務理事、
中央大学 名誉教授地域ぐるみの人材育成 コーディネーター 細野 助博 氏 公益社団法人学術・文化・産業ネットワーク多摩
専務理事、中央大学 名誉教授
実施報告
第16回全国大学コンソーシアム研究交流フォーラムは、「大学コンソーシアムとともに始まる大学づくり」をメインテーマに、8月31日(土)、9月1日(日)の2日間にわたり、熊本学園大学(熊本市)で開催いたしました。
今回のフォーラムでは、それぞれの地域の知の集合体とも言うべき大学コンソーシアムが議論すべき内容、及び、果たすべき役割を考究すべく、全国各地の高等教育機関・行政等から297名の方々にご参加いただきました。
1日目は、フォーラム開会前にプレイベントを行い、大学コンソーシアム事務局の関係者がそれぞれの活動を振り返りながら、運営において日々感じている課題を共有しました。
基調講演では、姜尚中氏(熊本県立劇場館長)をお迎えし、「大学コンソーシアムとキャンパスアジアの可能性」と題し、講演が行われました。
- ▽プレイベントの様子
- ▽基調講演の様子
- ▽シンポジウムの様子
- ▽文教行政報告の様子
その後のシンポジウムでは、甲斐隆博氏(熊本経済同友会 代表幹事)、小野泰輔氏(熊本県副知事)、中山峰男氏(崇城大学 学長)らが「大学コンソーシアムとともに始まる大学づくり」について、活発な議論を繰り広げました。
続いて行われた文教行政報告では、文部科学省高等教育局大学振興課大学改革推進室長 平野博紀氏より高等教育政策の動向について報告いただきました。
また、シンポジウムと並行して行われたポスターセッションでは、各コンソーシアム組織のそれぞれの取り組みについて参加者から多くの質問や感想が出され、出展者と参加者とが積極的に交流する場面が見られました。
▽ポスターセッション(出展20団体)の様子
2日目の分科会では、「大学コンソーシアムにおけるFD・SD研修」や「障がい学生支援と大学コンソーシアム」、「危機管理と大学の地域貢献-震災対応を事例として-」、「人・大学・まちの成長、発展に繋げる大学コンソーシアムの活動とは」、「地域活性化人材をどう育成するか」など、様々なテーマを扱った5分科会を実施し、実践事例報告や参加者との意見交換等を展開しました。
▽分科会(全5分科会)の様子
なお、次回第17回のフォーラムは、2020年9月に大阪にて開催予定です。詳細は決定次第、大学コンソーシアム京都のホームページにてご案内する予定です。
ぜひともご参加くださいますよう、よろしくお願い申し上げます。
お問い合わせ先
全国大学コンソーシアム協議会事務局(大学コンソーシアム京都内)
TEL 075-353-9100 FAX 075-353-9101
〒600-8216 京都市下京区西洞院通塩小路下るキャンパスプラザ京都内
※受付時間:火~土曜9:00~17:00(年末年始を除く)