1 各ユニットのリーダーと研究概要(分野別テーマごとの研究概要)
① ユニット1「観光と文化」
ユニットリーダー:京都大学大学院総合生存学館 河合江理子 教授
研究事業名:「文化・文化財の活用で,インバウンド観光のブランドイメージ向上」
京都の文化・芸術という世界でも稀に見る観光資源をより活用し,世界における京都観光のブランドイメージの向上を図り,持続可能な観光ブランドを構築するための手法を研究する。京都のブランド分析に加えて,世界の観光都市などの現地調査により,観光地としてのブランド力の向上や文化・芸術を活かした観光における成功事例を研究するなど,京都観光にとって実現可能な手法と京都がオンリーワンと言われるようなウェブの活用法等を研究する。
② ユニット2「産業と文化」
ユニットリーダー:京都大学高等教育研究開発推進センター 土佐尚子 教授
研究事業名:「iCultureコンセプトに基づく京都産業活性化」
文化・芸術をデジタル化し,その核となる部分をモジュール(交換可能な構成要素)として取り出し(このコンセプトを研究グループは「iCulture」と名付けている。),例えば,伝統産業製品に現代文化から取り出したエッセンスを付加することにより,伝統を守りつつ現代性を取り入れた製品を制作するなど,文化を活かして京都の伝統産業・現代産業を活性化させるための手法を研究する。研究に当たっては,京都の伝統企業・現代企業を募って研究会を立ち上げ,企業製品の価値を向上させる方法論を議論し,研究成果を踏まえ,プロトタイプ製品の開発も試みる。
③ ユニット3「暮らしと文化」
ユニットリーダー:京都大学フィールド科学教育研究センター 伊勢武史 准教授
研究事業名:「京都の風土・自然と文化のかかわりの多面的研究」
京都の伝統的な暮らし,儀式・祭礼などが,京都を取り巻く自然と人のどのような相互作用から生み出されてきたのかについて,フィールド調査や文献調査により研究する。研究成果を踏まえ,京都らしさ,ひいては日本らしさとは何かを体系的に解明することで,京都の暮らしの根底に流れる思想を明らかにし,未来における自然と共存する暮らしを提言する。さらに,その提言内容をメディアアート等の展示会やワークショップにより次代を担う若い世代に発信する。
④ ユニット4「まちづくりと文化」
ユニットリーダー:京都大学こころの未来研究センター 吉岡洋 教授
研究事業名:「iCultureコンセプトに基づくまちづくりの新たな展開」
アートがまちづくりと関わる際には,展示場所の活用だけでなく,アートを通じた人の関わり,人の流れを作り出すことが重要である。そのため,京都市立芸術大学などの美術系大学とも協力しながら,芸術文化と都市空間の新しい関わりの可能性に関する実践を行い,都市文化の活性化に資する新たな方法を研究する。
2 今後のスケジュール(予定)
2016年12月下旬 研究スタート
2017年7月 中間報告書の提出
2018年3月 研究報告書の提出
(参考)「大学の知」を活かした多角的な市政研究事業について
1 事業概要
京都市は38の大学・短期大学が集積する「大学のまち」で,本市の財産とも言うべき「大学の知」を,本市の政策・施策に反映していくため,大学コンソーシアム京都との協働により「大学の知を活かした多角的な市政研究事業」を実施する。具体的には,本市が指定するテーマ「文化を活かした京都の活性化」について,テーマに応じた分野ごと(「観光と文化」「産業と文化」「暮らしと文化」「まちづくりと文化」)に,大学研究者による複数の研究ユニットを構築し,多角的な観点から分析・考察してもらう。最終的には,各ユニットによる研究結果を研究グループとして報告書にとりまとめ,本市に提出してもらう。
2 応募資格
研究代表者及び各研究ユニット代表者は,(公財)大学コンソーシアム京都に加盟する大学・短期大学に所属する専任教員であること。なお,各ユニットの共同研究者については,この限りではない。
3 研究委託費及び研究期間
研究委託費:500万円(上限)/年
研究期間:平成29年度まで(2年間)
お問い合わせ先
公益財団法人 大学コンソーシアム京都 調査・広報事業部
TEL 075-353-9130 FAX 075-353-9101
〒600-8216 京都市下京区西洞院通塩小路下るキャンパスプラザ京都内
※窓口受付時間:火~土曜9:00~17:00(年末年始12月28日~1月4日を除く)