2016年度より公益財団法人大学コンソーシアム京都は京都市と協働で,大学を挙げた地域連携の取り組みをこれまで以上に促進するため,地域の住民組織や市民活動団体,地域企業,商店街などと連携した活動を通じて学生が学ぶ実践的な教育プログラムの開発及び実施に取り組む大学を支援する「学まち連携大学」促進事業を実施しています。事業の実施期間は2016年度~2019年度までの4年間です。
下記の6大学を「学まち連携大学」促進事業の採択大学として認定しました。
「学まち連携大学」促進事業 採択大学一覧
大谷大学
2015年度に開設された地域連携室(コミュ・ラボ)や短期大学幼児教育保育科などで、これまで取り組んできた京都市北区の「中川学区の暮らし発見プロジェクト」「地域情報の発信プロジェクト」(RADIO mix KYOTOでの「大谷大学ハッピーアワー」)、子育て支援事業などの実績をもとに、「北区・北大路地域を中心とした大学・地域連携事業」を実施します。
この事業を通じて、「子育て支援」や「地域情報の発信」、「観光振興」等をテーマに、地域にお住まいの皆さんやNPO、地元企業、商店等と連携した取組を進めていきます。
京都教育大学
京都の地理・歴史・文学・生活・美術の魅力を、教員養成課程の学生が、小・中学生向けに取材・編集し、3分間の動画にしていきます。小・中学校の各教科の授業や、全国から京都を訪れる修学旅行生の事前学習などにも活用してもらえるような有用なコンテンツ制作を行う予定です。
教員養成の講義で培った経験を活かし、小・中学生にもわかる動画の内容構成と用語使用を心がけながら、3年間で150本のプチコンテンツを制作する事を目標としています。
京都女子大学
京都女子大学では、地域にきめ細やかに寄り添い、女子大学の特性を活かして、子育て・教育・高齢者の支援、町内会活動支援など日常的な生活課題に視点をおいた地道な連携活動を積み重ねてきました。この実績を展開して、連携活動を教育課程に位置付け、地域課題の発見能力、問題解決能力、実践力を備えた女性地域リーダーとなりうる人材の養成を目指した「地域系女子養成プログラム」を構築します。
第1段階として2017年度には、連携活動の社会的意義を理論的に学ぶ入門科目と、活動への学生の主体的参加を促進する連携講座を体系化した「地域・産学連携科目群」を全学部全学年対象に開設します。また従来の活動に加えて、安心安全まちづくり支援や京都の産業支援など幅広い連携活動を正課内外で展開します。
さらに「京女ラウンドテーブル」を協定締結機関と共に結成し、行政や企業、市民の間の交流を生み出す結節点としての役割を果たすことを目指します。
京都橘大学
山科・醍醐地域で、これまで築いてきた地域連携の実績を元に、3つの基幹課題を設け、7つの教育プログラムを展開することにより、学生が地域と「響き合い」、地域で鍛えられ、地域に貢献できる人材として成長することを目指すものです。文社会系分野から、看護・医療・健康・福祉分野まで、多岐にわたります。長年取り組んできた山科区での地域文化の発掘や地域経済振興・まちづくりの事業や、伏見区醍醐中山団地における京都市、団地自治会との連携事業に加え、本事業を契機として、山科駅近辺に地域連携センターの「サテライト」を設け、学生の活動拠点を確保し、地域と学生が共に「育ちあう」仕組みを作ります。また高齢者や子育て支援など、現代社会の重要課題に対しては、看護・医療、健康・福祉分野で新規プログラムを立ち上げ、全学が一体となって地域課題の解決に取り組んでいきます。
同志社女子大学
2004年度から、大学で継続的に実施してきた京町屋での「町家講座」を、既存の大学正課内外の一連の教育プログラムと連携統合することでさらに発展させ、地域住民との交流や博物館との連携を通して、複合領域から展開する地域連携型の教育プログラムとして生まれ変わります。
京都の歴史的過程と現状を、歴史学や地理学、教育や文学、観光学など、学部・学科を横断した広領域からそれぞれの「京都学」の観点でとらえ、京都市内でのフィールドワークや地域住民とのワークショップを通して学生が主体的に、地域社会との間で双方向的に学習を行います。このようなプログラムを通して、復興支援教育の経験を踏まえた防災対応型地域連携社会のまちづくりについて、女子大学生の視点から将来に向けての提言を発信することを目指します。
龍谷大学
-学生と地域が共に学びあう「コミュニティベースドラーニング」の実現をめざして-
龍谷大学・深草キャンパスが所在する京都市伏見区を中心とした京都市南部の特徴を活かし、多世代・多文化交流によって学生もコミュニティも共に学びあい、相互の信頼関係を築けるような地域連携型教育「コミュニティベースドラーニング(CBL):地域連携型学習」の構築を目指していきます。
正課・課外を通した多くのCBLプロジェクトを実施するために、すでに蓄積している正課・課外・研究・地域貢献の多様な地域連携シーズを拡充、整理し、教育プログラムとしてのニーズと地域のニーズ、双方をつなぐ「地域連携シーズバンク」を構築していきます。
加えて、CBLに関する啓発事業を活発に行い、一人でも多くの学生に地域デビューのきっかけを与え、主体的に地域連携活動に参画する学生を支援していきます。
「学まち連携大学」促進事業 中間評価結果
2016年度に開始した「学まち連携大学」促進事業は、2019年度までの4年間を支援期間としていますが、 3年目の2018年度に外部有識者による中間評価を実施することになっており、7月28日に中間評価を実施いたしました。評価結果は下記のとおりです。
大学名・申請者名:大谷大学 学長 木越 康
- 事業名:
- 北区・北大路地域を中心とした大学・地域連携事 <概要はこちら>
- 総括評価:
- 一部で計画と同等又はそれ以上の取組もみられるものの、本事業の目的を達成するには、講評等を考慮し、更なる努力を期待したい。
- 講評:
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- 全学共通科目について計画を前倒しして開講した点、様々なプロジェクトに多くの学生が参加している点が評価できるが、具体的な改善策が分かっているものについては、速やかに実践することが必要である。
- ラジオ番組制作をはじめとする各種取組の地域への貢献度合いについて検証し、成果の更なる発信が必要である。
- 今後も、学部やゼミ単位ではなく、学長の強いリーダーシップの下、全学を挙げての取組となるよう努力して欲しい。
- 各種取組への学生の関わりや学生の学び・成長に繋がっている点等について、成果の更なる発信が必要である。
【参考】:大谷大学ホームページ「コミュラボ」
大学名・申請者名:京都教育大学 学長 細川 友秀
- 事業名:
- 「京都に学ぶ・京都を発信する」をサポートするプチコンテンツ・セルフガイド制作
<概要はこちら> - 総括評価:
- 一部で計画と同等又はそれ以上の取組もみられるものの、本事業の目的を達成するには、講評等を考慮し、更なる努力を期待したい。
- 講評:
-
- 取組を教員養成のカリキュラム改革につなげている点が評価できるが,今後,作成した動画コンテンツを活用してもらうための工夫やメンテナンスが必要となる。
- 学生の主体性及びコンテンツ制作による地域への貢献度合いが見えにくいので、学生が主体的に企画する、学生ならではのコンテンツの充実や更なる取組の深化が求められる。
- 今後も、学部やゼミ単位ではなく、学長の強いリーダーシップの下、全学を挙げての取組となるよう努力して欲しい。
- 各種取組への学生の関わりや学生の学び・成長に繋がっている点等について、成果の更なる発信が必要である。
【参考】:京都教育大学特設Website「GAKUMACHI.KYOTO」
京都教育大学Youtubeチャンネル
大学名・申請者名:京都女子大学 学長 林 忠行
- 事業名:
- 「地域系女子養成プログラム(副専攻)」の構築―地域社会を支える女性リーダーの養成をめざして―
<概要はこちら> - 総括評価:
- 計画どおりの取組であり、現行の努力を継続することによって本事業の目的を達成することができる。
- 講評:
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- 地域における女性リーダーや企業における女性の活躍などのニーズを的確に捉え、地域・外部組織との連携を着実に深めている点が評価できる。今後も産学連携をより一層充実させ、女子大学ならではの取組の広がりに期待したい。
- 今後も、学部やゼミ単位ではなく、学長の強いリーダーシップの下、全学を挙げての取組となるよう努力して欲しい。
- 各種取組への学生の関わりや学生の学び・成長に繋がっている点、事業実施による地域への貢献度合い等について、成果の更なる発信が必要である。
【参考】:京都女子大学「地域連携研究センターHP」
大学名・申請者名:京都橘大学 学長 細川 涼一
- 事業名:
- 山科・醍醐地域で「育ちあう・響きあう」地域連携型教育プログラム
<概要はこちら> - 総括評価:
- 計画どおりの取組であり、現行の努力を継続することによって本事業の目的を達成することができる。
- 講評:
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- 地域連携が展開されている分野も幅広く、大学の特性が活かされている。また、取組に学生を巻き込むことができており、参加学生数の達成目標を大幅に超えた取組がいくつか見られることに加え、SNS等を活用して取組を広く発信している点も評価できる。
- 子育て支援等の取組については、市内の地域団体と連携して着実に取組を進めることが必要である。
- 今後も、学部やゼミ単位ではなく、学長の強いリーダーシップの下、全学を挙げての取組となるよう努力して欲しい。
- 各種取組への学生の関わりや学生の学び・成長に繋がっている点、事業実施による地域への貢献度合い等について、成果の更なる発信が必要である。
【参考】:京都橘大学「地域連携型教育プログラム実績集2016 PDF」
大学名・申請者名:同志社女子大学 学長 加賀 裕郎
- 事業名:
- 京町家を中核とした未来の京都まちづくりプログラム<概要はこちら>
- 総括評価:
- 一部で計画と同等又はそれ以上の取組もみられるものの、本事業の目的を達成するには、講評等を考慮し、更なる努力を期待したい。
- 講評:
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- 町家講座の内容が優れており評価するが、学生の関わりが見えにくかったため、学生が企画・運営している部分について、更なる発信が必要である。
- 市外のフィールドワークで得た学びを、京都のまちづくりにより一層活かせるよう、取組の深化に期待したい。
- 今後も、学部やゼミ単位ではなく、学長の強いリーダーシップの下、全学を挙げての取組となるよう努力して欲しい。
- 学生の学び・成長に繋がっている点、事業実施による地域への貢献度合い等について、成果の更なる発信が必要である。
【参考】:同志社女子大学 現代ビジネス学部社会システム学科HP
大学名・申請者名:龍谷大学 学長 入澤 崇
- 事業名:
- 多世代・多文化協働による地域連携型教育プログラムの展開
―学生と地域が共に学びあう「コミュニティベースドラーニング」の実現を目指して― <概要はこちら> - 総括評価:
- 一部で計画と同等又はそれ以上の取組もみられるものの、本事業の目的を達成するには、講評等を考慮し、更なる努力を期待したい。
- 講評:
-
- CBL(コミュニティベースドラーニング)、地域連携シーズデータバンクの発想が評価できる。シーズを集め、地域とつなげていくことは非常に重要な視点であり、今後は、そのコーディネート役の設置が期待される。
- 大学の規模を考慮した際に、取組に関わる学生の更なる増加が必要である。
- 今後も、学部やゼミ単位ではなく、学長の強いリーダーシップの下、全学を挙げての取組となるよう努力して欲しい。
- 各種取組への学生の関わりや学生の学び・成長に繋がっている点、事業実施による地域への貢献度合い等について、成果の更なる発信が必要である。
【参考】:龍谷大学 地域連携シーズバンク「with DRAGON」
「学まち連携大学」促進事業 事業実績報告
2016年度に開始した「学まち連携大学」促進事業は、2019年度までの4年間の支援期間を終了いたしました。つきましては、以下のとおり各採択校の事業実績を報告いたします。
大学名・申請者名:大谷大学 学長 木越 康
大学名・申請者名:京都教育大学 学長 細川 友秀
大学名・申請者名:京都女子大学 学長 林 忠行
―地域社会を支える女性リーダーの養成をめざして―
大学名・申請者名:京都橘大学 学長 細川 涼一
大学名・申請者名:同志社女子大学 学長 加賀 裕郎
大学名・申請者名:龍谷大学 学長 入澤 崇
―学生と地域が共に学びあう「コミュニティベースドラーニング」の実現を目指して―
問合せ先
〒600-8216
京都市下京区西洞院通塩小路下る キャンパスプラザ京都内
(公財)大学コンソーシアム京都 調査・広報事業部
E-Mail :chiiki-daigaku-ml■consortium.or.jp
(■を@に変更して送信してください)
電 話 :075-353-9130
FAX :075-353-9101