事業概要
教員が授業内容・方法を改善し向上させるための組織的な取組として、大学コンソーシアム京都では設立間もない1995年より加盟大学と共に京都地域におけるFD活動を推進しています。
新任教員FD合同研修プログラムは、大学教員として必要な知識・スキルを身につけていただくことを目的とした、国立教育政策研究所が提唱する「新任教員のための基準枠組」に準拠した研修プログラムです。
<2015年度の変更点について>
2014年度に実施した、「非常勤教員に対する研修ニーズに関する調査」の結果を踏まえ、2015年度より参加対象を加盟校の非常勤教員へも拡大することになりました。
また、プログラム名に“新任教員”を掲げてはいますが、あらゆるキャリアステージの教員に有用なプログラムであることから勤務年数に制限を設けておりません。
なお、2日間の開催のうち1日のみのご参加も大歓迎です。
この機会にぜひご参加ください!
開催概要
- 日 時
- プログラムA
2015年9月5日(土)13:00〜18:00
2015年9月6日(日)10:00〜17:00プログラムB
2016年3月12日(土)13:00〜17:00
2016年3月13日(日)9:30〜17:00 - 会 場
- キャンパスプラザ京都
- 対 象
- 大学コンソーシアム京都加盟大学・短期大学に勤務する教員
※常勤・非常勤、また勤務年数は問いません - 主 催
- 公益財団法人 大学コンソーシアム京都
- 内 容
- 新任教員FD合同研修プログラムA チラシ【詳細はこちらから】
新任教員FD合同研修プログラムB チラシ【詳細はこちらから】
<プログラムA>
時間 | 内容 |
1日目 13:00~18:00 |
1.FD・大学教員のキャリア開発 講師:耳野 健二 氏(京都産業大学 教授) |
2.学習者中心の授業運営のための基礎知識・ワークショップ 講師:森 朋子 氏(関西大学 准教授) |
|
2日目 10:00~16:30 |
3.授業デザインのための基礎知識・ワークショップ 講師:安岡 高志 氏(立命館大学 教授) |
4.学習支援・特別支援のための基礎知識・ワークショップ 講師:村田 淳 氏(京都大学 障害学生支援ルーム 助教) |
<プログラムB>
時間 | 内容 |
1日目 13:00 ~17:00 |
1.京都の大学・大学のまち京都 講 師:栗田 洋 氏(大学コンソーシアム京都 副事務局長) |
2.成績評価のためのワークショップ 講 師:圓月 勝博 氏(同志社大学 文学部 教授) |
|
2日目 9:30 ~17:00 |
3.授業設計のためのワークショップ 4.授業実践ワークショップ 講 師:沖 裕貴 氏(立命館大学 教育・学修支援センター センター長/教授) |
実施報告
大学コンソーシアム京都主催:新任教員FD合同研修≪プログラムA≫
■新任教員FD合同研修≪プログラムA≫ 実施レポート
大学コンソーシアム京都では9月5日(土)、6日(日)の2日間にわたって「2015年度新任教員FD合同研修≪プログラムA≫」を実施いたしました。
本研修は加盟大学が連携して新任教員へ研修を行うことによって教育活動面をサポートすることを目的とし、併せて大学の枠を超えた交流の場とすべく、国立教育政策研究所の「新任教員研修の基準枠組」に基づいてプログラムを組み、毎年実施しています。9月実施のプログラムA、3月実施のプログラムBの両方を受講された参加者へは修了証が授与されます。
今回は、11大学から29名の参加者を迎えました。
■研修1日目
研修1日目は「FD・大学教員のキャリア開発」からスタートし、京都産業大学 耳野健二先生より講義いただきました。FDとは?といった視点から、中教審答申をはじめとした昨今の高等教育動向の説明があり、最後に授業における意欲、自主性、授業の活性化の課題や、各種授業技法の紹介が話題提供なされました。
その後のグループディスカッションでは、「多様な学生への対応」、「授業運営方法」、「学生の動機づけ」、「専門外の担当授業について」、「主体的な学び(アクティブラーニング)」のテーマごとに5つのグループに分かれ、議論が行われました。
休憩をはさんで、1日目の最終講義である「学習者中心の授業運営のための基礎知識・ワークショップ」が関西大学の森朋子先生によって行われました。
大きく5つ項目があり、学習の視点、なぜ学習者中心なのか、ミニ学習理論、アクティブラーニング、深い学習を促す授業デザインと森朋子先生のご専門を取り入れながらお話いただきました。その後、ワークショップでは「学習者中心の授業をデザインする」として、内化と外化の連動の理論をいかに授業で作り出せるか、受講者が作成し互いに発表していました。
■研修2日目
研修2日目は、立命館大学 安岡高志先生の講義、「授業デザインのための基礎知識」で幕を開けました。-単位制度における小道具としてのシラバス・人材育成像に対するシラバス-と題され、単に自身の授業だけではなく、学部として見た場合のディプロマポリシーにおけるカリキュラム・マップなども紹介されました。ワークショップでは実際に自身で作成したシラバスを「到達目標」「成績評価方法」といった視点で見直し、適切に書き直す作業がなされました。
午後からは京都大学障害学生支援ルームの村田淳先生の講義、「授業デザインの基礎知識・ワークショップ」でした。
“ 障害 ”の現在、大学における障害学生支援の現状、発達障害のある学生の把握と支援、コミュニケーションを考えるという内容で進められました。ワークショップでは参加者が2人組になり1人に図形を描いた紙を渡し、その図形を言葉のみで伝え、もう1人が聞いた言葉のみで図形を描くというものでした。図形を描くに当たり、構図といった目安を先に教えるなど、相手にいかにわかりやすく伝えるのか、コミュニケーションの大切さを肌で感じてもいました。
研修の最後に、2015年3月に実施した新任教員FD合同研修≪プログラムB≫に引き続き今回の≪プログラムA≫に参加され、すべての課程を終えられた1名の参加者に修了証が、また今回2日間の全日程に参加していただいた13名に参加証が授与されました。
大学コンソーシアム京都主催:新任教員FD合同研修≪プログラムB≫
■新任教員FD合同研修≪プログラムB≫ 実施レポート
大学コンソーシアム京都では、3月12日(土)、13日(日)の2日間にわたって「2015年度新任教員FD合同研修≪プログラムB≫」を実施いたしました。本研修は、京都地域の大学が連携して新任教員へ研修を行うことにより、新任教員の教育活動面をサポートすることを目的として、FD企画研究委員会によって企画しています。また、研修会では参加者同士が自由に話をする機会が多く、新任教員の新たなネットワーク作りの場ともなっています。
今回は、6大学から12名の参加者を迎えました。
■研修1日目
研修は「アイスブレイク」から始まりました。3つのグループに分かれ、自己紹介を兼ねた“もうすぐ新学期。来年度新しく挑戦しよう(したい)と思っていることはありますか?”という話題で、参加者同士の交流を図りました。
最初は緊張した面持ちの参加者でしたが、アイスブレイクが進むうちにリラックスし、笑顔も多く見られました。
引き続き、当財団の栗田洋副事務局長による「京都の大学・大学のまち京都」の講義と「京都のまち、大学をもっと知っていこう」をテーマとしたグループディスカッションが行われました。ワークシートを使って自分たちの大学について紹介し合い、和やかな雰囲気の中さらに話が弾みました。
休憩をはさんで、同志社大学の圓月勝博先生により「授業デザインのための基礎知識」の講義が行われました。“よい成績評価って何?”というテーマのもと、成績評価や学力について、スポーツやコンクールの採点方法などを例に挙げたわかりやすく興味深いお話に、参加者は熱心に耳を傾けていました。
■研修2日目
2日目は、前日の振り返りを経て、「授業設計のためのワークショップ」が立命館大学の沖裕貴先生によって行われました。授業設計のツールとして強制連結法の手法を学び、その実践として強制連結法を用いて自己紹介を各自で作成した後、指導案の活用へとつなげていきました。
参加者は、沖先生のアドバイスを受けつつ真剣に作業に取り組み、強制連結法を使った模擬授業の設計を約一時間かけて行いました。
午後は「授業実践」として、参加者が自分の専門等にもとづいた内容の15分の模擬授業を行いました。模擬授業はホワイトボードとペンのみで実施します。他の参加者は生徒を演じ、質問したりノートを取ったりするなど、短い時間でも実際の授業さながらでした。その体験の後、それぞれが疑問に思ったことを一緒に考えたりアドバイスを出し合ったりすることで、課題の発見、解決への糸口がもたらされた様子でした。
最後に、グループごとにベスト授業が選出され、その選出理由や評価について報告されました。
研修の終わりには、2015年に実施した、新任教員FD合同研修≪プログラムA≫に引き続き今回の≪プログラムB≫に参加し、全ての課程を終えられた4名の参加者に修了証が、また今回2日間の全日程に参加いただいた9名に参加証が授与されました。
お問い合わせ先
公益財団法人 大学コンソーシアム京都 FD事業 担当
TEL 075-353-9163 FAX 075-353-9101
〒600-8216 京都市下京区西洞院通塩小路下るキャンパスプラザ京都内
※窓口受付時間:火~土曜9:00~17:00(年末年始を除く)