事業概要
大学コンソーシアム京都では設立間もない1995年より、教員が授業内容・方法を改善し向上させるための組織的な取組として、加盟校と共に京都地域におけるFD活動を推進しています。
この「FD合同研修プログラム・テーマ別研修」は、新任教員、FDの基礎的な事項を学び直したいと考える教員、FDに関心のある教員、FD関連部署に勤務する職員を対象とした、FDの基礎知識やシラバス作成、授業設計・実践、アクティブ・ラーニング、成績評価などのスキルの獲得を目的とした少人数制の研修プログラムです。
2021年度は全6回をオンライン(Zoom)で開催いたします。
※申込開始前のプログラムは、開催日程、実施内容が変更となる可能性があります。
また、2021年度は期間を限定してオンデマンドでの配信も予定しています。
※オンデマンド映像は各回の申込者にのみ公開いたします。
※配信中のトラブル等により、録画映像が公開できない場合があります。予めご了承ください。
開催概要
2021年度は、以下の内容で実施いたします。
回 | プログラム | 開催日時 | 申込期間 |
---|---|---|---|
1 | FD基礎知識 | 9月7日(火)18:00~20:30 | 7月20日(火)~8月31日(火) |
2 | 学習者中心の授業ワークショップ | 10月9日(土)13:30~15:30 | 9月1日(水)~10月2日(土) |
3 | 障害のある学生の修学支援に関する基礎知識 | 10月14日(木)18:30~20:30 | 9月7日(火)~10月6日(水) |
4 | その試験、目標の到達を評価できていますか? | 11月9日(火)18:30~20:30 | 10月1日(金)~11月2日(火) |
5 | オンライン授業のためのワークショップ | 12月21日(火)18:30~20:30 | 11月16日(火)~12月14日(火) |
6 | 学生のやる気を引き出す授業設計・授業改善 ~化学系学生実験の組み立てを例に~ |
1月25日(火)18:30~20:30 | 12月7日(火)~1月18日(火) |
各回共通
- 対 象:
-
大学・短期大学の教職員
※Zoomが利用可能な方に限ります
※常勤・非常勤、また勤務年数は問いません
※FDにご関心のある職員も対象としています(業務経験年数は問いません) - 会 場:
- オンライン(Zoomを使用)
- 参加費:
-
大学コンソーシアム京都加盟校教職員:無料 左記以外の方:1,000円(税込・事前支払制)
※参加費の支払期限は、各回の詳細に記載のとおりです。期限内に参加費のお支払いが確認できない場合、申込は無効となりますので、予めご了承ください。
期限内のお支払いが難しい場合は、請求書に記載の問合せ先までお早めにご連絡ください。
※参加費お支払い後に申し込みをキャンセルされた場合、参加費の返金はいたしかねますので、予めご了承ください。 - 定 員:
- 30名程度/回(先着順)
- 主 催:
- 公益財団法人 大学コンソーシアム京都
注意事項
- 当日はインターネットに安定して接続いただけるパソコン、タブレット端末等からご参加ください。
※ワークショップ型のプログラムについては、スマートフォンからのご参加はご遠慮ください。 - ワークショップ型のプログラムは、ビデオ・マイクをオンにしてのご参加を推奨します。
- 参加者による録画・録音はご遠慮ください。厳守をお願いいたします。
■第1回 FD基礎知識
- 日程:
- 2021年9月7日(火)18:00~20:30
- 開催形式:
- 講義型(Zoomウェビナーを使用)
- 進行:
- 佐藤 誠 氏 (京都産業大学 法学部 教授)
- 講師:
-
耳野 健二 氏 (京都産業大学 現代社会学部 教授)
中島 英博 氏 (立命館大学 教育開発推進機構 教授)
林 秀美 (大学コンソーシアム京都 副事務局長)
本研修は、主としてFD初心者向けのプログラムです。「FDに関心はあるけれど、何から始めたらいいのか分からない」という方を念頭に置いています。本プログラムでは、参加者はまず、大学コンソーシアム京都ならびにこれが提供するFD研修の機会について情報提供を受けます。次いで、FDをめぐる基本的な知識の確認をおこないます。FDに不可欠な要素の一つに教員・学生間の対話があります。本研修では、FD基礎知識の確認を踏まえて、教員・学生間の対話の第一歩である、シラバス作成にあたっての基礎的な知識(シラバスの意義と記述方法など)を学びます。
■第2回 学習者中心の授業ワークショップ
- 日程:
- 2021年10月9日(土)13:30~15:30
- 開催形式:
- ワークショップ型(Zoomミーティングを使用)
- 講師:
-
浅田 瞳 氏 (華頂短期大学 幼児教育学科 准教授)
笠松 優子 氏 (池坊短期大学 環境文化学科 准教授)
領域や分野を問わず、主体的な学びという観点から、従来の一方通行の知識伝達型授業から学習者中心の授業への転換が求められています。「アクティブラーニング」もその一つだと考えられます。本研修では、アフターコロナを見据えたアクティブラーニングの事例から得られた効果や問題点等について学びます。また、ワークショップを通じて、アクティブラーニングを取り入れた実際の授業設計案の作成と相互評価をおこないます。今年度もコロナ禍の中で、いかにして主体的な学びを確保すれば良いかについての情報交換ができればと考えています。
■第3回 障害のある学生の修学支援に関する基礎知識
- 日程:
- 2021年10月14日(木)18:30~20:30
- 開催形式:
- 講義型(Zoomウェビナーを使用)
- 講師:
- 村田 淳 氏(京都大学 学生総合支援センター 准教授)
現在、学生の多様化が進んでおり、各大学では様々な学生への修学支援等の必要性が求められています。特に障害のある学生への修学支援に関しては、2016年の障害者差別解消法の施行により、その必要性は強化されています。本法は2021年に改正法案が成立し、これまで国公立大学のみであった合理的配慮の提供が私立大学等においても法的義務になることとなりました(これまでは努力義務)。
本研修では、まず“障害”に関する基礎知識を学んでいただき、その上で、大学における障害学生支援の現状について概説いたします。また、近年増加傾向にある発達障害のある学生への修学支援について、支援の基礎知識と具体的な対策について考える機会とします。
定員に達したため、申込を締め切りました
■第4回 その試験、目標の到達を評価できていますか?
- 日程:
- 2021年11月9日(火)18:30~20:30
- 開催形式:
- ワークショップ型(Zoomミーティングを使用)
- 進行:
- 跡田 直澄 氏(京都先端科学大学 経済経営学部 特任教授)
- 講師:
- 中島 英博 氏(立命館大学 教育開発推進機構 教授)
「学生の定期試験のできがよくない」「レポート課題を課したら内容がひどい」といった経験があるでしょうか。評価課題には教員の教育力が最も現れます。優れた評価課題を用意することは、学生の学習成果を高めるだけでなく、シラバスに記載する到達目標の見直しや、授業方法の見直しなど、授業全体の質向上に有益です。本研修では、担当科目レベルの学習目標に加え、カリキュラムレベルの学習目標へ到達したことを評価できる試験や課題をどのように作成すればよいかを議論します。
ご参加の方は、担当されている科目から1つお選びいただき、当該科目の試験問題、レポート課題、発表課題等をグループワークで紹介できるよう、ご準備をお願いいたします。
※筆記試験の場合は試験問題を、パフォーマンス課題の場合は学⽣に課題を指⽰した際の資料を、Zoom上で画⾯共有できるようにご準備ください。また、当該科目の到達目標や、ディプロマポリシーもご紹介いただきますので、シラバスやディプロマポリシーについても、画面共有できるようお手元にご準備のうえ、ご参加ください。
■第5回 オンライン授業のためのワークショップ
- 日程:
- 2021年12月21日(火)18:30~20:30
- 開催形式:
- ワークショップ型(Zoomミーティングを使用)
- 講師:
- 生駒 幸子 氏(龍谷大学短期大学部 こども教育学科 准教授)
伊藤 紀美江 氏(平安女学院大学 子ども教育学部 教授)
本研修は、2020年度春から本格的に実施されたオンライン授業の実践を情報共有する場です。1年間のオンライン授業構築の取り組みを苦悩や喜びを共有しながら振り返り、より良いオンライン授業の構築に向けた課題の確認をしたいと考えます。オンライン授業の限界を超えて、オンライン授業だからできることを模索し、学習者の学びを充実させる授業実践を共に考えてみませんか。
■第6回 学生のやる気を引き出す授業設計・授業改善
~化学系学生実験の組み立てを例に~
- 日 程:
- 2022年1月25日(火)18:30~20:30
- 開催形式:
- ワークショップ型(Zoomミーティングを使用)
- 進 行:
- 髙尾 郁子 氏 (京都薬科大学 薬学教育系 助教)
林 千恵子 氏 (京都工芸繊維大学 基盤科学系 教授) - 講 師:
- 老田 達生 氏 (元 京都工芸繊維大学 教授/京都産業大学 非常勤講師)
既存の授業を点検、改善することで、学生のやる気を引き出し、より着実に学習成果に結びつけることができます。
本研修では、従来あまり取り上げられてこなかった、実験の組み立て方に焦点を当て、学生のやる気を引き出す方法を考えます。理工系専門科目について、学生の興味を喚起し、内容の具体的理解を助けるのが実験科目です。その組み立て方によっては実験の目的や面白さが分からず学習継続の意欲を失う場合もあれば、逆に実験によって新しい知の世界が開ける場合もあります。事例紹介者は、大学での講義から高大連携授業、リカレント授業まで幅広い世代を対象に現在も教鞭をとる化学のスペシャリストです。今回は高校生対象の分かりやすい化学実験の組み立て方を事例に、参加者の皆様の質問にお答えしながら、全員で授業設計や改善の方法を考えます。
文系の先生方にとっては、新たな発想や授業方法と出会うチャンスになることと思います。
実施報告
今年度は、「FD基礎知識」、「オンライン授業」、「学習支援・特別支援」、「授業設計・授業実践」、「シラバス作成・成績評価」、「アクティブ・ラーニング」をテーマに、全6回をオンラインで開催し、全国より計137名(延べ)の方々にご参加いただきました。
参加者アンケートの参加満足度を問う設問では、全6回を平均で「満足」「やや満足」の回答が95.4%と高い評価を得ることができました。
高評価につながった要因として、FD研修の基本に立ち返った課題設定や、コロナ禍という共通の問題を抱える中、各大学の事例報告や話題提供の場を設けたことで積極的に参加でき、新しい発見につながったことなどが考えられます。
自由記述欄では、「FDの概要を知ることができた上にシラバス作りの参考になる話を聞くことができた」(第1回)、「COVID-19以降の各先生方の授業での工夫や知見を共有でき、明日からでも使える有意義な情報を参加者のみなさんから得られた」(第2回)、「支援の法的根拠や範囲の決定の流れなどわかりやすい例示もあり理解が進んだ」(第3回)、「レポート課題や記述式試験の評価には、 ルーブリック表で学生に自己評価させる、というやり方も取り入れたいと思った」(第4回)、「実習系の授業を担当しておられる先生方の工夫についてお話を聞けたことが、コロナ後の自分の担当授業にも活かせると感じた」(第5回)、「学生実験に関するFDの機会は非常に少ないため、参考になる知見が多く得られた」(第6回)、といった感想が寄せられるなど、教職員ともに、新たな学びや気付きを通して、今後、授業を改善していく上での参考としていただけた様子でした。
次年度についても、参加者のニーズの高いテーマや時間帯を探り、加盟校からの参加者確保に向けた検討を進めていきます。
お問い合わせ先
公益財団法人 大学コンソーシアム京都 FD事業 担当
TEL 075-353-9163 FAX 075-353-9101
〒600-8216 京都市下京区西洞院通塩小路下るキャンパスプラザ京都内
※窓口受付時間:火~土曜9:00~17:00(年末年始を除く)