事業概要
大学コンソーシアム京都では設立間もない1995年より、教員が授業内容・方法を改善し向上させるための組織的な取組として、加盟校と共に京都地域におけるFD活動を推進しています。
この「FD合同研修プログラム・テーマ別研修」は新任教員、FDの基礎的な事項を学び直したいと考える教員、FDに関心のある教員、FD関連部署に勤務する職員を対象に実施している研修プログラムです。2023年度は、IRやレポート指導、ゼミ・研究室運営、初年次教育、授業設計・授業実践などのスキルや知識の獲得を目的としたプログラムを実施いたします。
また、「FDの基礎知識」については、講義の動画を配信いたします。この動画は新任教員向けに作成されたものですが、既に教鞭をとっておられる方にも参考となるものになっています。
2023年度は、「FDの基礎知識」以外の全5回の研修プログラムをオンライン(Zoom)で開催いたします。
※申込開始前のプログラムは、開催日程、実施内容が変更となる可能性があります。
なお、全5回のプログラムについては、期間を限定してオンデマンドでの配信も予定しています。
※オンデマンド映像は各回の申込者にのみ公開いたします。
※配信中のトラブル等により、録画映像が公開できない場合があります。予めご了承ください。
開催概要
2023年度は、以下の内容で実施いたします。
回 | プログラム | 開催日時 | 申込期間 |
---|---|---|---|
1 | IR奮闘記 -IR的思考を授業に活かすには?- | 9月13日(水) 13:30~15:30 |
8月4日(金)~9月5日(火) |
2 | レポート課題で考えておくべきこと – 基本確認と生成系AIとの兼ね合い – |
10月14日(土) 13:30~15:40 |
9月6日(水)~10月7日(土) |
3 | ゼミ・研究室運営について考える | 11月10日(金) 18:30~20:30 |
10月3日(火)~11月2日(木) |
4 | 大学独自の初年次教育を考える ~一大学の実践を例に~ |
2024年1月16日(火) 18:00~20:00 |
12月5日(火)10:00~ 2024年1月6日(土)17:00 |
5 | 学生の自己形成を促すパーソナル・ライティング ~自己から、他者、世界へ、と認識を育むことの大切さ~ |
2024年3月5日(火) 18:30~20:30 |
2024年1月23日(火)~2月24日(土) |
各回共通
- 対 象:
-
大学・短期大学の教職員
※Zoomが利用可能な方に限ります
※常勤・非常勤、また勤務年数は問いません
※FDにご関心のある職員も対象としています(業務経験年数は問いません) - 会 場:
- オンライン(Zoomを使用)
- 参加費:
-
大学コンソーシアム京都加盟校教職員:無料 左記以外の方:1,000円(税込・事前支払制)
※参加費の支払期限は各回の詳細に記載の通りです。期限内に参加費のお支払いが確認できない場合、申込は無効となりますので、予めご了承ください。
期限内のお支払いが難しい場合は、請求書に記載の問合せ先までお早めにご連絡ください。
※参加費のお支払い後にキャンセルされた場合、返金はいたしかねますので予めご了承ください。 - 定 員:
- 30名程度/回(先着順)
- 主 催:
- 公益財団法人 大学コンソーシアム京都
注意事項
- 当日はインターネットに安定して接続いただけるパソコン、タブレット端末等からご参加ください。
※ワークショップ型のプログラムについては、スマートフォンからのご参加はご遠慮ください。 - ワークショップ型のプログラムは、ビデオ・マイクをオンにしてのご参加を推奨します。
- 参加者による録画・録音はご遠慮ください。厳守をお願いいたします。
■第1回 IR奮闘記 – IR的思考を授業に活かすには?-
- 日程:
- 2023年9月13日(水)13:30~15:30
- 開催形式:
- 講義、ワークショップ型(Zoomを使用)
- 進行:
- 戸次 顕彰 氏 (大谷大学 文学部 講師)
中川 昌幸 氏 (平安女学院大学 国際観光学部 助教) - 講師:
- 髙橋 真 氏 (大谷大学 社会学部 准教授)
大学での教学マネジメントや内部質保証という観点から、IRの重要性が強調されています。様々な大学において先進的な取り組みが行われていますが、規模の小さな大学や、高等教育を専門とした研究者がいない大学では、IRの取り組みはなかなか進まないということもよくあります。また、IRの取り組みは特定の部署が行っているというイメージが強く、個々の授業運営への関連性は低いというイメージもありますが、IRの視点を活用すると、授業の改善にもつながっていく可能性があります。本研修では、大谷大学の事例をもとに大学教育におけるIRの位置づけの理解とともに、IRの中でもデータを収集・分析するという視点から、授業改善につながる方法を考えていきます。
■第2回 レポート課題で考えておくべきこと
- 基本確認と生成系AIとの兼ね合い –
- 日程:
- 2023年10月14日(土)13:30~15:40
※終了時間は、進行状況により変更となる場合がございます。 - 開催形式:
- ワークショップ型(Zoomを使用)
- 進行:
- 栢木 紀哉 氏 (龍谷大学 経営学部 准教授)
星 優也 氏 (池坊短期大学 文化芸術学科 専任講師) - 講師:
- 島村 健司 氏 (龍谷大学 ライティングサポートセンター スーパーバイザー)
Chat GPTやGoogleのBradなど、生成系AIの登場で、レポートのような考えて書くという課題を学生に提示することの基盤が揺らいでいるように思います。本研修では、前文の事態をふまえて、つぎのようなことを確認、検討する機会にしたいと思います。まず、レポート課題を提示するときに考えておくべきことについて、アカデミックライティングの観点から確認します。そのうえで、生成系AIへの対処を検討します。検討する場面では、自由に意見交換することを通して、生成系AIへの対処方法を共有できる機会にしたいと考えています。
■第3回 ゼミ・研究室運営について考える
- 日程:
- 2023年11月10日(金)18:30~20:30
※終了時間は、進行状況により変更となる場合がございます。 - 開催形式:
- 講義、ワークショップ型(Zoomを使用)
- 進行:
- 小山 智朗 氏 (京都先端科学大学 人文学部 准教授)
- 講師:
-
鍛治 宏介 氏 (京都先端科学大学 人文学部 教授)
荻野 晃大 氏 (京都産業大学 情報理工学部 教授)
大学生が大学での講義で学んだ知識を利活用して、調査・研究活動を行う授業である「ゼミ・研究室」を、より効果的に実施するための方法について情報交換し、学び合う機会として企画しました。理系、文系からそれぞれ1名ずつ講師をお呼びし、ゼミ・研究室の運営方法についてご講演いただきます。その後、小グループに分かれて、ゼミ・研究室の運営方法に関する悩みや工夫について議論を行い、最終的には会全体で共有するという流れを考えています。参加者の皆さんとゼミ・研究室運営について、楽しく議論できる会にしたいと考えています。
■第4回 大学独自の初年次教育を考える
~一大学の実践を例に~
- 日程:
- 2024年1月16日(火)18:00~20:00
※開始・終了時間が変更になる場合がございます。 - 開催形式:
- ワークショップ型(Zoomを使用)
- 進行:
- 髙尾 郁子 氏(京都薬科大学 学生実習支援センター 助教)
松瀬 理保 氏(京都外国語大学 国際貢献学部グローバル観光学科 講師) - 講師:
- 坂本 尚志 氏(京都薬科大学 基礎科学系 准教授)
初年次教育は高等学校から大学への円滑な移行を図り、学習への動機づけを強化するものとして期待されています。近年、情報化の一層の進展などが加速する社会の変容と、それに伴う入学者の学力や学びのスキルの多様化に伴い、大学の学びに適応できない学生が増えてきています。そのため、初年次教育は在学生が学びにおいて抱える問題がいかなるものであるかを正確に把握したうえで学びのデザインを考えることが必要となっています。
本研修では、大学の初年次教育の構築に携わってこられた講師にこれまでの取り組みについてご講演いただき、その後参加者同士で情報交換をすることで、大学独自の初年次教育の構築に必要な視点や手法を考える機会にしたいと考えています。
■第5回 学生の自己形成を促すパーソナル・ライティング
~自己から、他者、世界へ、と認識を育むことの大切さ~
- 日程:
- 2024年3月5日(火)18:30~20:30
※終了時間は、進行状況により変更となる場合がございます。 - 開催形式:
- ワークショップ型(話し合い方式)(Zoomを使用)
- 進行:
- 林 千恵子 氏 (京都工芸繊維大学 基盤科学系 教授)
根岸 裕子 氏 (京都華頂大学 現代家政学部 准教授) - 講師:
- 谷 美奈 氏 (帝塚山大学 全学教育開発センター 教授)
積極的に授業に参加しない、自分がどう考えているのかを表現することが苦手、興味関心を抱くことが少なくレポートや卒業研究のテーマを自主的に見つけることが困難……。
そういった学生の姿勢は、「学習意欲の低さ」「日頃から自分で考える習慣がない」といった、ともすれば安易な理由で批判されがちです。しかし、たとえば、大学入学以前の教育で型通りの小論文を書く訓練はあったとしても、自分自身の感情や経験をじっくりと見つめ表現する機会がなかったり、それらに応答してくれる他者の存在がなかったり、そもそも自身を表現する方法を知らなかったりするだけなのかもしれません。
本研修の講師・谷美奈氏は、パーソナル・ライティング(PW)の教育実践を通じて、学生たちが自己を見つめ直し、他者に向けて自分自身を表現し、クラスの仲間からの批評を受けて表現方法の工夫や物事の多様な視点を学ぶように導いてこられました。受講生たちはPWの経験が自己理解や他者理解、あるいは卒業論文のテーマやこれからの生き方や価値観といったものにつながっていったと語っています。このような氏の実践研究から、専門教育への重要な足がかりともなりえるヒントを皆様に得ていただければと考えています。
実施報告
今年度は、講義型のプログラムについては、試行的にオンデマンド配信を行うこととし、いつでも学べる形式をとり、グループワーク型のプログラムについては、全5回を全てオンラインで開催することとしました。動画配信を行った内容としては「FD基礎知識」、グループワーク型のプログラムについては「IR」、「レポート指導(AIChat)」、「ゼミ・研究室運営(少人数指導)」、「初年次教育」、「授業設計・授業実践」をテーマに行い、全国より166名(延べ)の方々にご参加いただきました。
参加者アンケートの参加満足度を問う設問では、全5回を平均で「満足」「やや満足」の回答が95.3%と高い評価を得ることができました。
自由記述では、「IRの実体験について先生からご講義頂いた内容が参考になりました。加えて、他大学の先生・職員の方と直接各大学の現状と課題を議論でき有益な時間となりました。」(第1回)、「レポート作成を通して、生成系AIとの関わり、教育のあるべき姿まで議論することができた。」(第2回)、「一講師の先生方のゼミ運営に関する非常に具体的な工夫をうかがうことができたため。」(第3回)、「実際に他大学の初年次教育の教科書を拝見し、また作成の裏話を聞くことができ、大変さの共有ができた。続いてのワークショップで、他大学の状況をお聞きし、改めて本学での課題について考えるきっかけとなった。解決が見えない課題も多いが、課題を共有することで、横断的連携につながることを期待したいと思えた。」(第4回)、「自己形成ということと書くことの繋がりが大変良く分かりました。また、自分が教えてきた学生のことを思うと、その重要性を強く感じます。」(第5回)、といった感想が寄せられるなど、教職員ともに、新たな学びや気づきを通して、今後、授業を含めた大学の教育活動を改善していく上での参考となる研修が実施できました。
次年度についても、引き続き参加者のニーズの高いテーマや時間帯を探り、特に加盟校からの参加者確保に向けた検討を進めていきます。
プログラム | 定員 | 参加人数 | |
---|---|---|---|
動画配信 | FD基礎知識 | - | 77 |
第1回 | IR奮闘記 -IR的思考を授業に活かすには?- |
30 | 19 |
第2回 | レポート課題で考えておくべきこと – 基本確認と生成系AIとの兼ね合い – |
30 | 24 |
第3回 | ゼミ・研究室運営について考える | 30 | 9 |
第4回 | 大学独自の初年次教育を考える ~一大学の実践を例に~ |
30 | 19 |
第5回 | 学生の自己形成を促すパーソナル・ライティング ~自己から、他者、世界へ、と認識を育むことの大切さ~ |
30 | 18 |
合計 | 166 |
※FD基礎知識につきましては、オンデマンド視聴者数になります。
お問い合わせ先
公益財団法人 大学コンソーシアム京都 FD事業 担当
TEL 075-353-9163 FAX 075-353-9101
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