開催概要
第12回高大連携教育フォーラム
大学入試はその国の学校制度、社会の仕組みと深く結びついている。日本では、全国共通の教育課程が定着していることが学力試験の前提にあり、試験問題は初出であること、事後の公表などが義務づけられている。しかしこれらは、世界的にみれば日本に特有のことがらでもある。今次の入試改革では、共通試験の複数回実施や段階別評価、さらにはIRT(項目反応理論)の導入、コンピュータ利用なども議論の俎上に上っている。そうした諸課題を含め、「達成度テスト(仮称)」というものの現実的な可能性を検討してみたい。
日 程 | 2014年12月5日(金)9:30~17:15 | |
会 場 | キャンパスプラザ京都 | |
テーマ | 高大接続と学力形成-達成度テスト(仮称)について考える- | |
主 催 | 京都高大連携研究協議会(京都府教育委員会/京都市教育委員会/京都府私立中学高等学校連合会/京都商工会議所/公益財団法人 大学コンソーシアム京都) | |
定 員 | 基調報告・特別講演・実践事例紹介 | 200名(先着順) |
分科会1.2.3.4 | 各30名(先着順) | |
申し込み受付 | 2014年10月7日(火)12:00~11月21日(金)17:00 | |
参加費 | 京都府内の高等学校・大学関係者 | 1,000円 |
上記以外の方(京都府内の企業参加者含む) | 2,000円 |
(第1部)9:30~14:45 基調報告・特別講演・実践事例紹介
開会挨拶 9:30~9:35 |
北村 聡(京都高大連携研究協議会 運営委員長/京都外大西高等学校 校長) | |
基調報告 9:35~9:45 |
中村 博幸(大学コンソーシアム京都高大連携推進室/京都文教大学臨床心理学部 教授) | |
特別講演 9:45~10:35 |
「大学入試の日本的風土は変えられるか―達成度テスト(仮称)を考える―」 報告者:荒井 克弘(独立行政法人大学入試センター 副所長) 司 会:山本 以和子(大学コンソーシアム京都高大連携推進室/京都工芸繊維大学アドミッションセンター 准教授) |
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実践事例紹介 10:45~12:15 | ■大阪府教育センター附属高等学校 テーマ:大阪府教育センター附属高等学校「探究ナビ」の実践-新たな「学び」が、ここから始まります。- 報告者:恩知 理加(大阪府教育センター附属高等学校 教頭) 報告者:山元 聡(大阪府教育センター附属高等学校 首席兼探究科主任) |
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本校は、大阪府の学術研究の拠点である「大阪府教育センター」に隣接し、その研究・研修機能と一体となった教育を実践している。本フォーラムでは、本校の教育活動の柱「探究ナビ」の実践について報告する。1年次では「人とつながる」、2年次では「社会とつながる」、3年次では「未来を切り拓く」をテーマに、「演劇創作」等、発想と協同を育む活動や「あびこ探検」等、まちづくりの活動を通じて、「自らの進路を切り拓くことができる人材」を育成している。 | ||
■高崎経済大学 テーマ:高経大+高経附「高大コラボゼミ」―双方向的高大連携の試み 報告者:矢野 修一(高崎経済大学 教授/高崎経済大学附属高校 顧問) |
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高大コラボゼミとは、日本企業の海外戦略の研究を具体的内容とするグループ学習である。発表・討論を重ねたうえ東京本社を訪問しインタビューを行う。高校生は知識やプレゼンテーション能力を身につけるだけではなく、チューター役の大学生、経済の最前線で頑張る企業人にロールモデルを見いだす。コラボゼミという出会いの場を通じて「学び」の意味を再確認し、主体的に進路を選択するようになる。大学生も教えることを通じて学ぶ。結果的には就活に向けた予行演習ともなっている。 | ||
■京都工芸繊維大学 テーマ:京都工芸繊維大学「ダビンチ入試」-テストで何をどのように測るか?- 報告者:内村 浩(大学コンソーシアム京都高大連携推進室長/京都工芸繊維大学アドミッションセンター 教授) |
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これからの時代に求められる学力とは、次のようなものであろう。 ①すでに学んできた知識のネットワークの中に、新しい知識を組み入れる。 ②単一の正答を覚えるということよりも、知識を活用し、表現することが求められる。 ③互いに学び合うためのコミュニケーション力も重要! 本発表では、以上の考え方の理論的背景について述べ、次に、こうした学力を測るようデザインされた試験の事例として、ダビンチ入試を紹介する。 |
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司 会:山本 以和子(大学コンソーシアム京都高大連携推進室/京都工芸繊維大学アドミッションセンター 准教授) | ||
【休憩】12:15~13:15 | ||
ディスカッション 13:15~14:45 |
コーディネーター:椋本 洋(大学コンソーシアム京都高大連携推進室/立命館大学理工学部講師) |
(第2部)15:15~17:15 分科会
第1分科会 【表現技法】 |
テーマ:授業リフレクションとしてのラベルワークの実践 報告者1:中地 譲治(慶応義塾志木高等学校 教諭) 報告者2:長谷川 伸(関西大学商学部 准教授) コーディネーター:筒井 洋一(大学コンソーシアム京都高大連携推進室/京都精華大学 人文学部 教授) |
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これまでの教育において、教員が学生・生徒に対して、知識や正解を教えることが主であった。しかし、社会の変化が激しくなり知識の陳腐化が進行してきた結果、知識の蓄積自体の意味が低下し、正解のない課題に直面した時には、対応できなくなっている。そこで、今後望まれることは、学生自身がどこまで理解したかを自覚する教育(授業リフレクション)である。リフレクションは、過去のプロセスを確認すると共に、未来に向けた指針を生み出す。登壇者は、長年リフレクションを視覚化する手法として、ラベルワークを授業に導入している。参加者が授業への導入が可能なように、講師による実践ワークを中心にして進行する。 | ||
第2分科会 【数 学】 |
テーマ:高大連携による数学的活動を取り入れた教材の紹介と実践報告 報告者1:松田 和真(京都府立南陽高等学校 教諭) 報告者2:深尾 武史(京都教育大学教育学部 准教授) コーディネーター:遠山 秀史(京都府教育庁 指導部 高校教育課 指導主事) |
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新学習指導要領で強調されている「数学的活動」について、多くの教科書で「課題学習」が新設されたが依然として教師の裁量に任されている部分が多い。 数学的活動の定義として学習指導要領に記されている「自ら課題を見いだし、解決するための構想を立て、考察・処理し、その過程を振り返って得られた結果の意義を考えたり、それを発展させたりすること」「学習した内容を生活と関連付け、具体的な事象の考察に活用すること」「自らの考えを数学的に表現し根拠を明らかにして説明したり議論したりすること」について既習の学習内容を振り返りつつ、それらの活動が中心となる教材の紹介ならびに実践報告を行う。特に予測活動を取り入れることで生徒に数学の有用性を実感させ、数学と科学とのつながりについて理解を深めさせることができる点にも注目したい。 この分科会では実践報告から、「数学的活動」のさらなる可能性について議論していきたい。 |
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第3分科会 【英 語】 |
テーマ:発信力を重視した英語コミュニケーション能力の育成を目指した指導と評価について 報告者1:國松 裕子(京都市立西京高等学校 教諭) 報告者2:泉 惠美子(京都教育大学教育学部 教授) コーディネーター:太山 陽子(京都市教育委員会 指導部 学校指導課 指導主事) |
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京都市立西京高等学校では,実社会で通用する実践的な英語力の向上を促すため,従来から学校設定科目においてスピーチ,プレゼンテーション,ディスカッション,ディベート等の機会を豊富に設定することで,発信型コミュニケーション能力の伸長を図ってきた。昨年度よりコミュニケーション英語Ⅰ・Ⅱにおいても四技能の総合的な伸長をめざした活動やパフォーマンス評価に取り組んでいる。 大学では,グローバル社会で貢献・活躍できる地球市民を育成するため,コミュニケーション能力育成を目指した指導と評価を行っている。時事問題について,読んだり,聞いたりしたことから,音読やシャドーイングなどで言語を内在化させ,要約や討論,発表を通して,使える英語の習得を目指している。 高校,大学でのそれぞれの取組を通して,発信型コミュニケーション能力の育成のための指導と評価について高大接続の観点から考える。 |
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第4分科会 【理 科】 |
テーマ:高大連携による龍谷大学付属平安高等学校における理科の取り組み 報告者1:中島 和也(龍谷大学付属平安高等学校 教諭) 報告者2:藤原 学(龍谷大学理工学部 教授) コーディネーター:林 久夫(龍谷大学理工学部教授/龍谷大学高大連携推進室長) |
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龍谷大学理工学部へ付属校推薦入試A方式で入学を希望するコースでは、高3時に大学と連携して理科に関して2つの事業に取り組んでおり、これについて報告する。 1つは、正課カリキュラムの「理数研究(理科)」という授業である。主な内容は、物理と化学に関しての2時間連続の実験授業とそのレポート提出、生徒の研究発表プレゼンテーション(実験より1テーマ)、そして大学教員(1名)の特別授業である。 もう1つは課外プログラムの「科学図書レポート」である。これは3回作成させるが、特に2回目では大学のオープンキャンパスに出向き、大学教員(5名)から直接マン・ツウ・マンで指導を受け、また理工学部の研究室公開に参加する。 これらを通して受験勉強にとらわれることなく、高校時代に必要な物理と化学の基本的な知識・技能の習熟と、そして大学進学後に必要な科学的な思考力・表現力の育成や専門分野に対する興味・意欲の喚起を図っている。 |
お申込み
申し込み受付:2014年10月7日(火)12:00~11月21日(金)17:00
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※各分科会には定員がございますので、申込み手続き完了後は変更できません。
※必ず参加される場合は、お申込みください。開催当日の受付はできません。
実施報告
当日は、全国から高校教職員、大学教職員など約200名の方にご参加いただきました。
第1部では、まず、大学入試センターの荒井副所長から今次の大学入試改革の背景や諸課題についてご講演いただき、次に、新たな「学び」を実践している高等学校や大学から実践状況についてご報告いただきました。その後、休憩をはさんでフロアからのコメントペーパーによる質疑応答とディスカッションを行いました。特に、ディスカッションでは、中央教育審議会の答申案等をめぐって会場参加者の荒瀬克己氏(中央教育審議会高大接続特別部会臨時委員)と荒井副所長による活発な議論が行われ、新たな大学入試制度の意義や背景等について知識を深めていただく機会となりました。
第2部では、4つの分科会にわかれ、それぞれ高等学校や大学から事例発表を行った後、グループでの意見交換や情報共有を行いました。
第13回高大連携教育フォーラムも充実した内容で開催する予定ですので、ご参加よろしくお願いいたします。
第12回高大連携教育フォーラム
レジュメ・資料集・当日のパワーポイントデータはこちら。
第1部 | 基調報告 | 報告資料 | |
特別講演 | 大学入試の日本的風土は変えられるか ―達成度テスト(仮称)を考える― |
講演資料 | |
実践事例紹介 | 大阪府教育センター附属高等学校「探究ナビ」の実践 ―新たな「学び」が、ここから始まります。― |
報告資料 | |
報告資料2 | |||
高経大+高経附「高大コラボゼミ」 ―双方向的高大連携の試み |
報告資料 | ||
報告資料2 | |||
京都工芸繊維大学「ダビンチ入試」 ―テストで何をどのように測るか?― |
報告資料 | ||
報告資料2 | |||
ディスカッション | 資料 | ||
第2部 | 第1分科会 | 【表現技法】授業リフレクションとしてのラベルワークの実践 | 報告資料1 |
報告資料2 | |||
報告資料3 | |||
第2分科会 | 【数学】高大連携による数学的活動を取り入れた教材の紹介と実践報告 | 報告資料1 | |
報告資料2 | |||
報告資料3 | |||
報告資料4 | |||
第3分科会 | 【英語】発信力を重視した英語コミュニケーション能力の育成を目指した指導と評価について | 報告資料1 | |
報告資料2 | |||
報告資料3 | |||
第4分科会 | 【理科】高大連携による龍谷大学付属平安高等学校における理科の取り組み | 報告資料1 | |
報告資料2 |