事業概要
日本文化の中心である京都は国際的な観光地でもあり、海外からも多くの人が訪れます。そして、京都にある多くの観光地の成立ちはさまざまです。それだけでなく、京都を訪れる交通手段や観光客をもてなす人々にも変化はあります。みなさんと一緒に、京の旅を考えてみることにしましょう。
京都市協働事業
開催概要
江戸時期の中頃、人々は参拝や湯治などの物見遊山を行うようになりました。これが観光旅行の始まりと考えられます。近代になると、鉄道を中心とする交通路が整備されると、より人々は旅を楽しめるようになりました。全国からの修学旅行生も、京都で学校生活の思い出を作ったことでしょう。そして、観光客が手にするガイドブックやお土産なども生まれました。現在では、国際的な観光地として京都は世界中から旅人を集めています。「おもてなし」の心は、京都から世界中へ伝わっていきます。時空を超えた京の旅へのまなざしについて、一緒に考えてみましょう。
2014年度 京都学講座「京を旅する~観光のまなざし~」
- 日 程
- 2014年5月24日(土)~ 12月6日(土)10時30分~12時00分
※全10回+2回の実地講座 - 会 場
- キャンパスプラザ京都5階 第1講義室
- 内 容
- 大学コンソーシアム京都 京都力養成コース京都学講座 パンフレット【詳細はこちらから】
第1回 2014年5月24日(土) 海外からのツーリズム〜京都の人気スポットとその変容〜
講師:村田 典生氏(佛教大学 研究員)
京都は日本を代表する観光地のひとつで、毎年数多くの海外からの旅行者がやって来ます。彼らは京都でどのような観光地を巡るのでしょうか。また、どのようなアクティビティを求めているのでしょうか。 今回は現代の京都における海外からの観光客の人気の観光スポットを紹介していきたいと思います。そして、そのような観光スポットを巡るルートがどのように形成されてきたのかという点も併せて考えてみたいと思います。
第2回 2014年5月31日(土) 「そうだ 京都、行こう。」〜これまでの20年と、これから〜
講師:安齋 辰哉氏(東海旅客鉄道株式会社営業本部観光開発グループ グループリーダー)
「そうだ 京都、行こう。」キャンペーンは平成5年の秋から開始して、おかげさまで昨年秋にキャンペーン20周年を迎えました。懐かしいCM やポスターのビジュアルをご覧いただきながら、主に首都圏のお客様を京都に誘うために、私たちが何を考えてキャンペーンを実施してきたのか、これからの20年間に向けてどのように取り組んでいるのかを、お話しします。
第3回 2014年6月7日(土) 修学旅行と近代京都〜奈良女子高等師範学校の経験〜
講師:高木 博志氏(京都大学人文科学研究所 教授)
明治末から大正期における奈良女子高等師範学校は、修学旅行において、本願寺や豊国神社、京都御所、嵯峨野、宇治などの社寺や名所のほかに、京都帝国大学や美術館や西陣織・清水焼の見学施設、琵琶湖疏水といった先端の学問や産業に関わる場所をめぐった。20世紀になって修学旅行の目的は、身体鍛錬から鉄道を利用した史蹟名勝をめぐる臨地教育へと変化した。京都市内の小学校における修学旅行も定着してきた。修学旅行から近代京都を考えたい。
第4回 2014年6月21日(土) 江戸時代の物見遊山〜名所案内記・日記からみる名所と都市〜
講師:塚本 章宏氏(徳島大学大学院ソシオ・アーツ・アンド・サイエンス研究部 准教授)
江戸時代の京都は、現代に負けず劣らず全国から人々が物見遊山に訪れる観光都市でした。現在の旅行ガイドブックにあたる名所案内記や個人の旅の様子を記した日記が、江戸時代を通して数多く作られ、それらは当時の京都観光の様子を今に伝える有用な史料となっています。本講義では、これらの史料から京都の名所の様子と、最新のデジタルマップを使いながら観光都市としての姿について、マクロとミクロの視点から迫ってみたい。
第5回 2014年7月12日(土) 旅のみやげ〜名物から見た日本近代〜
講師:鈴木 勇一郎氏(立教大学立教学院史資料センター センター員)
現在、私たちが各地の観光地で見ることのできるおみやげ文化は、世界的にみるとかなり特徴的なものです。また、現在日本で見ることができるおみやげと江戸時代の名物の間にも大きな違いがあります。本講座では近代日本のおみやげ文化の形成を、鉄道、博覧会、軍隊といった近代の装置との関わりを、八ツ橋をはじめとする京都名物、伊勢の赤福、静岡の安倍川餅といった各地の豊富な事例を通して明らかにしていきます。
第6回 2014年10月4日(土) 旅の楽しみ〜江戸時代の京都における娯楽〜
講師:山近 博義氏(大阪教育大学 教授)
江戸時代中期以降の京都は、しばしば、観光都市化したといわれています。旅の記録などによれば、当時の京都観光も、現在と同じように、神社仏閣名所旧跡めぐりが中心であったようです。同時に、当時の京都には、さまざまな店や飲食店、諸芸能の興行などもみられました。これらの施設や興行の存在は、京都を訪れた人々にとって、旅の楽しみの一つとなっていたと考えられます。この講義では、具体的な資料を示しつつ、これらの様子を紹介したいと思います。
第7回 2014年10月18日(土) 旅と鉄道〜観光・フォークロリズムからみた京都〜
講師:斉藤 利彦氏(佛教大学歴史学部歴史文化学科 准教授)
近代の鉄道網の整備、郵便制度やメディアの発展により、各地の民俗行事や民俗芸能が“発見” され、“郷土” が創られていきました。昭和50年代、国鉄の“ディスカバリー・ジャパン” によって、再び鉄道は人々に“郷土”“故郷” を意識させます。そのなかで、京都は「日本のふるさと」というイメージのもと、一大観光地になっていきます。観光の史的背景にある技術史とメディア史との関係や、京都と京都観光、そしてフォークロイズムの関係について、みなさんとご一緒に考えてみたいと思います。
第8回 2014年11月1日(土) 旅と社寺参詣〜「名所」のはじまりはじまり〜
講師:坂井 輝久氏(音羽山清水寺 学芸員)
中世末期から近世初頭のころ、私たちが今日言うところの「名所」が現れてきます。その「名所」が詰まった都市として京都が眺められるようになり、中心となったのが神社仏閣でありました。「名所」へいざなうメディアも次々と登場してきます。参詣曼荼羅、洛中洛外図、名所記、案内記といったものです。そうしたメディアを紹介しながら、清水寺を一つの典型として「名所」の展開と旅の広がりをたどっていきます。
第9回 2014年11月22日(土) 旅のガイド〜京都観光ガイドの魅力〜
講師:宇川 新一氏(京都SKY 観光ガイド協会 会長)
京都に来られる観光客は子供から高齢者まで年齢的に幅広く、四季折々の京都の魅力に憧れて度々お越しいただく方が多い。また将来のリピーター客としての修学旅行生も年間約100万人が来てくれています。私達のガイド協会は日本人の観光客を対象に京都の観光ガイドを行っておりますが、日頃のガイドを通じて感じる観光客の様子、またガイドの魅力をお伝えし今後の京都の観光客増加に寄与いたしたい。
第10回 2014年12月6日(土) 京に泊る ホテルに泊る〜創業126年 京都ホテルの伝統と明日〜
講師:大岡 育男氏(株式会社 京都ホテル 常務取締役)
京都のホテルの最初は明治元年に開業した祇園の中村屋です。その後、明治21年には今の京都ホテルに続く京都常盤が鴨川二条大橋西詰に開業します。京都常盤は河原町二条の政府施設跡の払い下げを受け、明治23年にKIOTO HOTEL として新築の洋館ホテルで再スタートします。ロシアのニコライ皇太子がこのホテルにお泊りになり大津事件に遭遇したことは国際的な大事件でした。大正14年には京都で初のロータリークラブが京都ホテルで設立されました。時代と共に歩んできた京のホテルの歴史を中心にご紹介します。
実地講座 2014年7月12日(土) 和菓子作り体験
講師:甘春堂より
この実地講座では、第5回講座「旅のみやげ」で取り上げる「みやげ」作りを体験します。慶応元年(1865年)創業の甘春堂で職人さんに伝統の京菓子作りを教わります。できあがった季節の和菓子はお抹茶といっしょにいただきます。また、佛教大学歴史学部八木透先生に同行していただき、祇園祭とお菓子のお話も伺います。
実地講座 2014年12月6日(土) フランス料理の楽しみ方、ワインの選び方
講師:京都ホテルオークラ ピトレスクより
京都ホテルオークラ17階にあるフレンチレストラン「ピトレスク」で、料理長よりフランス料理の楽しみ方を、ソムリエからはワインの選び方のお話しを伺います。京の街や東山が望める落ち着いた雰囲気の店内で、四季の素材を生かしたフランス料理とワインを心ゆくまでお楽しみください。
お申込み
本コースは全10回のリレー講義です。以下の①~②の通り、まとめての受講申し込みはもちろんのこと、1講座ごとの受講申し込みも可能です。現在、1講座ごとのお申込みのみ受け付けています。
① 全10回まとめて申し込む(受付終了)
- 受 講 料
- 10,000円(全10回)
※実地講座2回は別途受講料が必要です。
※大学コンソーシアム京都加盟大学・短期大学の正規学生(大学院生・専攻科生・通信教育課程生を除く)及び放送大学京都学習センター全科履修生の場合は無料です。 - 必要書類
- □京カレッジ出願票
- □京カレッジ会員証用写真1枚(縦3㎝×横3㎝)
- 受付期間
- □郵 送 2014年3月 8日(土)~3月22日(土)必着
- 宛 先 〒600-8216 京都市下京区西洞院通塩小路下る キャンパスプラザ京都内
大学コンソーシアム京都 京都学講座担当 宛 - □持 参 2014年3月19日(木)~3月22日(土)10時~16時
- □Web 2014年3月15日(土)~3月21日(金)
- ※定員(250名)を超過した場合は、抽選により受講可否を決定いたします。結果につきましては、4月下旬頃郵送にてお知らせいたします。受講料の支払方法、実地講座の申込方法等も併せてお知らせいたします。
- 実地講座
- □2014年 7月12日(土) 13:45〜15:00 定員40名 (参加費:2,160円)
- □2014年12月 6日(土) 13:30〜15:00 定員35名 (参加費:8,000円)
- ※申込者多数の場合は、抽選とします。
② 講座ごとに申し込む
- 受 講 料
- 1,500円(1回)
※実地講座は申し込みできません。
※大学コンソーシアム京都加盟大学・短期大学の正規学生(大学院生・専攻科生・通信教育課程生を除く)及び放送大学京都学習センター全科履修生の場合は無料です。 - 申込方法
- 当日会場にてお申し込みください。
- 実地講座
- 実地講座の申込みはできません。
お問い合わせ先
公益財団法人 大学コンソーシアム京都 京都学講座 担当
TEL 075-353-9140 FAX 075-353-9121
MAIL:miyakare-ml■consortium.or.jp(■を@に変更して送信してください)
〒600-8216 京都市下京区西洞院通塩小路下るキャンパスプラザ京都内
※営業時間:火~土曜9:00~17:00(年末年始を除く)