2019年度

事業概要

大学コンソーシアム京都では、2001年に開講した「プラザカレッジ」において、京都学研究の研究成果を「京都学講座」として公開してきました。2009年度からは、京都市とともに運営する大学の知の資源を地域に開放する生涯学習事業「京(みやこ)カレッジ」における京都力養成コースの一講座として、京都に関する様々な事象の中から毎年テーマを設定し実施しています。2019年度で19回目の開講となります。

kyoto-city_logo京都市協働事業

2019年度 京都学講座「京の伝統と先端ーみやこが育んだ“モノ”と“技”ー」

開催概要
京都は、日本を代表する古くからの伝統産業や、多くの国宝をはじめとする美術工芸品を今に守り伝える類稀なる高い技術を持っています。それと共に世界最先端の科学技術をリードする人たちが活躍する地でもあります。伝統と先端が絶えず交差し、融合して新しい日本の未来を作り続ける京都。そこで今年のテーマを「京の伝統と先端-みやこが育んだ“モノ”と“技”-」としました。伝統的で先端的なモノと技が、これまでどのような歴史の中で今に輝いているのかについて考えたいと思います。
日 程
2019年5月18日(土)~2019年12月21日(土) 各コースとも定員250名
【午前コース】 10:00~11:30 (受付 9:30~)
【午後コース】 12:30~14:00 (受付 12:00~)
2017年度より「午前コース」、「午後コース」の各定員を250名と多くしております。どちらかのコースにお申込みください。どちらも同じ講義内容です。各コースとも定員を超過した場合は抽選で受講の可否を決定します。また、出願後のコース変更、開講後の他コースの受講はできませんのでご注意ください。
※全10回基本講座+2回の実地講座(実地講座は時間、場所が異なります)
なお、2019年度京都学講座の開講にむけて、3月9日(土)に開講記念講座(要申込・入場無料)を実施します。 
会 場
キャンパスプラザ京都 4階第2講義室
(京都市下京区西洞院通塩小路下る)
受 講 料
10,000円(基本講座10回)
※実地講座は別途費用が必要です。
内 容
大学コンソーシアム京都 京都力養成コース京都学講座 パンフレット 【PDF】

2019年度京都学講座開講記念講座 3月9日(土)13:30-15:00
「京をめぐる物語の舞台としての宇治-「響け!ユーフォニアム」をまじえて-」

講師: 武田 綾乃 氏  小説家
講師: 河野 道房 氏  同志社大学 文学部 教授
講師: 八木 透 氏  佛教大学 歴史学部 教授

源氏物語を始めとして、京をめぐる過去の文学作品には、平等院、宇治橋、宇治上神社といった名所が登場します。それら京の名所に蓄積された歴史的イメージと、現代を生きる私たちが持つイメージには違いはあるのでしょうか。今回はアニメ化・映画化された小説「響け!ユーフォニアム」シリーズの描写を取り上げつつ、宇治の名所とその背景にある、京都の文学的イメージを紹介します。

※ 申込方法はこのページの最後をご覧ください。

基本講座

第1回 5月18日(土) 「ヨーロッパの王侯貴族に愛されたjapan-新たなる美の発信-」

講師: 下出 祐太郎 氏  漆芸家、京都産業大学 文化学部 教授

470年前、日本は戦国時代。ヨーロッパは大航海時代でした。種子島に鉄砲が伝来、宣教師がやって来ました。宣教師たちは、地の果て極東の日本文化にたいそう驚き、本国に伝えました。中でもヨーロッパの王侯貴族を魅了したのが京蒔絵漆器でした。マリーアントワネットのコレクションにつながる魅惑の京蒔絵文化と、京都迎賓館が担う平成の伝統工芸の美の発信を講義します。加えて、先端産業とのコラボレーションについてお話します。

第2回 6月 1日(土) 「京町家と数寄屋大工」

講師: 中村 義明 氏  中村外二工務店 代表
講師: 川島 智生 氏  京都華頂大学 現代家政学部 教授

京都を拠点として活躍した、日本を代表する数寄屋大工・中村外二の仕事を通して、京町家の繊細で奥深い美しさの淵源を探ります。外二が手がけた喜鶴亭・俵屋・都ホテル佳水園・比叡山ホテル・フジコヘミング京都別邸など綺羅星のような京都の名作建築から、京の数寄屋大工の粋を感じ取っていただきたいと思います。語り手は外二の跡を継ぐ御子息の義明氏です。

第3回 6月 8日(土) 「伝統技術が育んだ最先端技術-京都における精密機器産業史-」

講師: 榎本 晋虎 氏  株式会社島津製作所 広報室 課長

首都が東京に移った明治維新から、新生京都は学校建設と殖産興業を二本柱として独自の発展を遂げてきました。さまざまな工業製品の製造指導を行う舎密局や日本最初の小学校を京都府が設立し近代化を推進する中で、理化学器械などの各種精密機器産業が立ち上がり、現在多くのハイテク企業が存在します。明治維新間もなく創業した島津製作所の歴史をたどりながら、京都企業の特徴や今後の展望について言及いたします。

第4回 7月20日(土) 「コロタイプって何 -京都に残る世界最古の写真印刷技術-」

講師: 山本 修 氏  株式会社便利堂 コロタイプ研究所 所長

コロタイプは、今から160年前にフランスで生まれた写真印刷技術です。便利堂は、そのコロタイプ技術を使って明治・大正・昭和の京都を絵葉書や観光本に記録しました。今では、世界的絶滅危惧種のコロタイプですが、その表現力は、現在でも十分通用し文化財複製や写真芸術に貢献しています。明治の時代からの職人の手仕事を多く残すコロタイプの世界を、解説いたします。是非お楽しみください。

第5回 9月14日(土) 「手に取って触れる古文書への挑戦-京の匠の技と最先端技術との融合-」

講師: 吉田 謙一 氏  富士ゼロックス京都株式会社 文化推進室長
講師: 小林 一彦 氏  京都産業大学 文化学部 教授

京都が世界に誇る繊細で優美な表現を、徹底的に調査することで得られた歴史的背景や和紙・糸、顔料などの素材情報をもとに、和紙の種類・手触り感・製本手法などを、市販の複写機を改良した特別仕様機で、原本に忠実に再現します。今回は、普段滅多に触ることのできない希少な伝統文書を複製物で手にとって触っていただきながら、紹介いたします。

第6回 10月 5日(土) 「火炎土器、陶磁器、京焼からファインセラミックスへ」

講師: 仲川 彰一 氏  京セラ株式会社 部品研究開発統括部長

セラミックスは、縄文時代の火炎土器から始まり、戦国時代、江戸時代の中で育まれた陶磁器として生活の必需品として広く知られています。20世紀に入り、セラミックスの持つ本質的な機能を引き出すべく研究開発が進められ、様々な特性を持つファインセラミックスが生まれました。セラミックスの歴史を京文化とともに振り返り、現在のファインセラミックスが、現在の生活の中でどのように活きているかを紹介いたします。

第7回 11月 2日(土) 「北山杉を育む人々-京の木材をめぐる文化-」

講師: 中田 治 氏  中源株式會社 代表取締役
講師: 河原 典史 氏  立命館大学 文学部 教授

川端康成が執筆した『古都』は、何度も映画やテレビ・ドラマ化されています。そこでは、京都・北山に広がる四季折々の林業の様子が描かれています。女性による丸太磨きは、冬季に行なわれる厳しい作業でした。ただし、研磨用の赤砂には粘度があるため、手肌が荒れることはありませんでした。この伝統的な作業は、高圧噴出水による丸太磨き機の導入によって少なくなりました。北山杉をめぐる様々な生活様式とその変化について、一緒に考えてみましょう。

第8回 11月16日(土) 「表具技術を用いた絵画・古文書の修理」

講師: 宇佐美 直治 氏  株式会社宇佐美修徳堂 代表取締役

表具の技術は、仏教文化と共に日本に伝わったといわれています。京都では、寺院や茶道などとの繋がりの中で表具の技術が発展し、高度な技術と洗練された材料から「京表具」と呼ばれ高く評価されてきました。本講座では、表具の歴史にも触れながら、現在行われている、表具の技術を用いた絵画や古文書の修理の事例や、使用する材料や道具について紹介いたします。

第9回 11月30日(土) 「世界と西陣-世界一の織物産地「西陣」-」

講師: 渡邉 隆夫 氏  西陣織工業組合 理事長

西陣の名は「応仁の乱」に由来します。しかし、織物業の歴史はこれよりはるかに古く、御所に織物を納めてきた多くの高機業者は、平安京成立と時を同じくして誕生しました。明治5年(1872)には、三人の若者をフランス・リヨンに派遣。紋様を織るためのジャカードを持ち帰り、西陣に産業革命を引き起こし、発展してきました。全国各地の織物業発展の原点でもあります。このような西陣の歴史・特色について説明いたします。

第10回 12月21日(土) 「日本の伝統食「漬物」と「京漬物」-京都でよかった-」

講師: 平井 達雄 氏  京つけもの西利 代表取締役副会長
講師: 八木 透 氏  佛教大学 歴史学部 教授

日本の伝統食「和食」の基本は「ご飯」と「漬物」です。「漬物」の基礎知識、種類、時代変遷等を通じて日本の伝統食「漬物」の概要をお伝えいたします。そして「京漬物」が、なぜ特別な漬物になったのか、現代にいきるその素晴らしさを知っていただきたいと思います。また、最近明らかにされてきた機能性食品としての素晴らしさとともに、日本人にとって大切な伝統食品である理解を深めていただきます。

実地講座

京都学講座では、講義形式の講座だけでなく、実際に現地で京都に触れる「実地講座」を取り入れています。今回の実地講座は次の通りです。
実地講座の参加は京カレッジ生(後述)へのお申し込みが必要です。申込方法は、京カレッジ生として基本
 講座10回に出願いただき、そのときにあわせて希望する実地講座に出願いただきます。
 応募多数の場合は抽選となりますのでご了承ください。

※実地講座のお申し込みには「募集ガイド」にあるシラバスの注意事項をご覧ください。
 また、定員に満たない場合等、都合により講義時間などを変更することがあります。

実地講座① 7月27日(土) 開講予定時間:午前部10:30-12:30もしくは午後部14:00-16:00
「京壁の魅力を探って―迎賓館を手がけた左官職人が語る歴史と壁塗実習-」 

各30名 参加費4,000円

講師: 佐藤 ひろゆき 氏  京都左官協同組合理事、京都府左官技能専修学院講師
解説: 川島 智生 氏  京都華頂大学 現代家政学部 教授

およそ1300年前にはじまった左官は、その地域の風土に最も適した素材を使って壁を作ってきた長い歴史があります。土壁が持つ物性と機能から、土壁の価値を探り、和風建築の顔になった経緯を考えます。京都迎賓館や老舗旅館など佐藤さんが手がけた京都の名建築を事例として、京の左官の醍醐味を学びます。また、 本講座では土壁塗の実習を行い、実際に左官を手の触感として体験していただきます。

実地講座② 12月7日(土) 開講予定時間:午前部10:30-12:30もしくは午後部13:30-15:30
「伏見・清酒技術の歴史と現在-月桂冠の清酒造りと大手蔵の誕生-」  

各40名 参加費2,000円

講師: 田中 伸治 氏  月桂冠株式会社 総務部 広報課長
解説: 川島 智生 氏  京都華頂大学 現代家政学部 教授

清酒技術の歴史と現在を江戸期に創業した月桂冠の酒造りの変遷を通して学びます。日本有数の酒造地伏見のなかでも、月桂冠は最も成功した酒造メーカーであり、昭和36年(1961)に完成した大手蔵は真夏でも酒造りができる四季醸造を日本で最初に成功させた画期的な酒蔵でした。冷房装置や機械化により科学された清酒の誕生であり、その器は古い土蔵から鉄筋コンクリートの高層建築に変わりました。知られざる酒造りの戦後史を浮上させていきます。

お申込み

「京の伝統と先端ーみやこが育んだ“モノ”と“技”ー」
京都学講座は、京カレッジの講座の一つです。基本講座10回と実地講座の受講を希望する場合は、「京カレッジ生」としてお申し込みが必要です。

申込方法
京カレッジ生募集ガイド(3月上旬発行予定)に添付の出願票でお申し込みください。
提出書類
①出願票1部 ※京都学講座用の出願票をお使いください。
②京カレッジ会員証用顔写真(縦3㎝×横3㎝)1枚
※募集ガイドに同封の「出願票提出確認シート」に添付してください。
受付期間
《郵送》2019年3月6日(水)~20日(水)必着
※持参する場合は3月19日(火)・20日(水)10:00~16:00で、キャンパスプラザ京都で受け付けます。
提 出 先
キャンパスプラザ京都内 大学コンソーシアム京都(京カレッジ担当) ※住所は「お問い合わせ先」参照
京カレッジリンク https://www.consortium.or.jp/project/sg/details
受講料の入金について
受講可否の結果通知を郵送する際に同封します振込用紙にて入金してください。
※大学コンソーシアム京都加盟校の正規学生(ただし、大学院・通信教育課程生等を除く)および放送大学京都学習センター全科履修生は基本講座の受講料は無料です。学生証のコピーを出願票に必ず添付してください。

【注記】
1.申込方法の詳細と注意事項を「京(みやこ)カレッジ生募集ガイド」にて確認してお申し込みください。
2.定員を超過した場合は抽選により受講の可否を決定しますのでご了承ください。
3.受講可否の案内は4月下旬迄に郵送いたします。
4.受講の可否についてのお問い合わせはご遠慮ください。
5.一旦入金いただいた受講料は返金いたしませんのでご了承ください。
6.講座の内容は都合により一部変更することがあります。

◆1回ごとの受講について

各講義1回ごとの受講はできません。
ただし、基本講座については毎回25名を定員として、大学コンソーシアム京都加盟校の正規学生(ただし、大学院・通信教育課程生等を除く)および、 放送大学京都学習センター全科履修生は1回ごとの受講が可能です。
下記をご覧ください。

◆大学コンソーシアム京都加盟校の正規学生は基本講座の1回毎の受講が可能です
 (無料・毎回の講義について定員25名)

「加盟校正規学生」とは大学コンソーシアム京都加盟校の正規学生(ただし大学院・通信教育課程生等を除く)および放送大学京都学習センター全科履修生です。1回ごとの受講をする場合は、基本講座で希望する講座の日時に直接会場へお越しの上、受付で必ず学生証を提示してください。受講料は無料です。定員25名を満たした場合等、受講をお断りする場合がありますので、ご了承ください。実地講座への参加は、京カレッジ生として基本講座の10回分とあわせて申込む必要がありますので、学生証のコピーを必ず添付して、左記の申込方法にて期間内に出願をしてください。

今年も開講記念講座を実施します

2019年度京(みやこ)カレッジ京都学講座「京をめぐる物語の舞台としての宇治~「響け!ユーフォニアム」をまじえて~」の開講にあたり、オープニング企画として開講記念講座を開講します。
開講記念講座では、小説家の武田 綾乃氏を招いて、同志社大学 河野 道房 教授、佛教大学 八木 透 教授との対談を実施いたします。

2019年度京都学講座開講記念講座
「京をめぐる物語の舞台としての宇治~「響け!ユーフォニアム」をまじえて~」

講師: 武田 綾乃 氏 (小説家)
講師: 河野 道房 氏 (同志社大学 文学部 教授)
講師: 八木 透 氏  (佛教大学 歴史学部 教授)

日にち: 2019年3月9日(土)
時 間: 13時30分~ 15時00分  (開場13時00分)
会 場: キャンパスプラザ京都 4階 第2講義室
定 員: 250名(事前申込必要)※申込多数の場合は抽選とさせていただきます。
参加費: 無料
申込方法はこちら:https://www.consortium.or.jp/sg/27297

お問い合わせ先

公益財団法人大学コンソーシアム京都 
京カレッジ(京都学講座)担当 9:00〜17:00(日・月曜を除く)
〒600-8216 京都市下京区西洞院通塩小路下る キャンパスプラザ京都1階
TEL.075-353-9140 FAX.075-353-9121
MAIL:miyakare■consortium.or.jp(■を@に変更して送信してください)
※お問い合わせ受付時間:火~土曜9:00~17:00(年末年始を除く)

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