「大学のまち京都」の“知”の集積を活用し、未来の京都づくりに向けた政策を創造するため、大学の研究者と京都市の担当部署との協力により調査・研究を行っていただく「未来の京都創造研究事業」について、今年度に取り組む6件のテーマが決定しましたので、お知らせいたします。
以下の調査・研究テーマについては、研究だより第1号にも掲載しています。
[指定課題]京都市が指定する調査・研究課題
[自由課題]京都市の政策に関わるもので、研究者が自由に設定する課題(指定課題以外)
[継続課題]昨年度の調査・研究課題のうち、その研究成果を踏まえて、より一層の成果を目指して引き続き取り組む課題
指定課題1
行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律(番号法)の施行に伴う個人情報の保護、管理、利用及び活用のあり方に関する研究
テーマ |
行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律(番号法)の施行に伴う個人情報の保護、管理、利用及び活用のあり方に関する研究 |
研究代表者 |
佐伯 彰洋(同志社大学法学部・教授) |
研究概要 |
2015年から開始される、番号法に基づくマイナンバー制度は、地方公共団体が独自に条例を制定することによって、より充実したものとする余地がある。そこで京都市における地域の実情を踏まえつつ、番号法の活用によって解決が見込まれる課題を絞り込み、また市民の利便性と行政の効率生の向上を図るためにはどのような条例を制定することが必要かを検討する。 |
指定課題2
都心部地域(四条通、河原町通、御池通及び烏丸通に囲まれた地域及び周辺地域)での商業者等の交流の場づくりに関する研究
テーマ |
交流の場づくりによる商業者・市民の育成とネットワーク形成にかかわる実証研究 |
研究代表者 |
西村 雅信(京都工芸繊維大学大学院工芸科学研究科・准教授) |
研究概要 |
都心部に蓄積されてきた地域資源の魅力を活かした「交流の場づくり」を通して「地域の価値」の再発見と創造を推進する商業者・事業者と市民の育成及びネットワーク形成を図る実証研究を行う。 具体的には以下の場を実験的につくり、有効性の検証と持続可能な仕組みを検討する。 ①商業者・事業者と市民が交わり、つながる『学び』と『ネットワーク形成』の場 ②空き店舗や大型店と魅力的商業者が交わり、起こす『マッチング』の場 ③関心のテーマで商業者と若者、アーティスト、デザイナーなど多彩な市民が交わり、起こす『文化創造』と『コミュニティ形成』の場 |
指定課題3
外国人留学生の大学卒業後の就業に関する動向の分析と自治体、企業及び大学における支援方策に関する研究
テーマ |
外国人留学生の大学卒業後の就業に関する動向の分析と自治体、企業および大学における支援方策に関する研究 |
研究代表者 |
石原 一彦(立命館大学キャリアセンター部長・政策科学部教授) |
研究概要 |
立命館大学を中心とした京都の外国人留学生、企業への調査を通じて外国人留学生の就業に向けた意識と行動を明らかにする。具体的には、留学生に対しては日本企業への就業希望動機や将来展望などを調べ、企業側には、留学生に求める能力、採用への期待などを調べる。これらに対して分析をおこない、留学生への就業支援策や企業の能力開発プログラムを、大学、企業、行政の協働によって検討する。 |
自由課題1
テーマ |
京都市郊外の市営住宅とその周辺住宅地における空間構成と変遷について |
研究代表者 |
政木 哲也(京都工芸繊維大学大学院工芸科学研究科・博士後期課程) |
研究概要 |
京都市の郊外に多く分布する市営住宅とその周辺地域の関係性について、山科区、伏見区の市営住宅団地のいくつかをフィールドと設定し、主に屋外空間の利用状況と周辺住宅地との連続性を明らかにする。そのためには①団地と接する建物の外観、②団地内のオープンスペースの使われかた、③敷地境界の状況を現地で記録・採取する。 今回新たに把握するオープンスペースの利用状況や、周辺となじんでいる様子の調査結果は今後の市営住宅の整備・再編の際に活かされることとなる。 |
自由課題2
テーマ |
京都市における「フューチャーセンター」を活用した次世代型市民協働政策についての研究 |
研究代表者 |
杉岡 秀紀(京都府立大学公共政策学部・講師) |
研究概要 |
課題解決の手法として近年注目されている「フューチャーセンター※」「フューチャーセッション」に焦点を当て、わが国の産・学・公・NPOそれぞれのセクターにおける現況と課題を明らかにする。また京都市の市民協働政策の現況調査によりフューチャーセッションを試験的に実施することで、京都市におけるフューチャーセンターを活用した次世代型の市民協働政策に関する提言をおこなう。 ※ 組織を超えて多様なステークホルダーが集まり、未来志向で対話して関係性をつくり、そこから創発されたアイディアに従って協調的な行動を起こしてゆく手法 |
継続課題
テーマ |
京都市内における住宅庭の環境およびその減少が街区の生物相に与える影響 |
研究代表者 |
柴田 昌三(京都大学地球環境学堂・教授) |
研究概要 |
昨年度に得た研究結果をベースに、今年度は市街地の緑を構成する要素の一つである住宅庭の特性および緑の連続性が街区の生物相に与える影響を評価し、その結果に基づき住宅庭が京都のまちなかの生物多様性の保全に果たす役割を示す。 具体的には、GISを用いた緑地の連続性・面積変化の解析と、対象地域における生物相に関する住民アンケート、また対象地域内に新たに設定するエリア内での植栽調査結果を複合的に照らし合わせることで、多角的な視点から住宅庭が有する緑のポテンシャル評価をおこなう。 |
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